北海道・礼文島の見どころを結ぶドライブコース(南端)【車中泊女子の全国縦断記】

北海道民にとっても「遠い」と感じる、日本最北端の離島・礼文島。礼文島がどんなところで、何があるのか。今回は礼文島の見どころを、南端に絞ってご紹介します。

地元小学生が描いたイラスト入りマップ、見ているだけでほっこりしますね。

『北』は斜め右上になります。フェリーターミナルがある香深(かふか)港は左下。礼文島は島の東側には道路があるのですが西側にはないので、島を一周することができません。香深港が島の最南端にあれば便利なのですが、南端一歩前といった微妙な位置にあり、これがドライブコースを決める上で取捨選択が難しくなる原因とも言えます。

ハートランドフェリーで稚内から香深(かふか)港に着岸。言い忘れましたが、フェリーへはバックでの乗船となります。さっそく新鮮な海の幸を堪能するなら、フェリーターミナル2階の【武ちゃん食堂】や、徒歩約5分の【香深マリンストア】2階【かふか】が有名です。

礼文島唯一の日帰り入浴施設【うすゆきの湯】は、フェリーターミナルから徒歩約3分。12~22時(受付21:30まで)、入浴料600円。ナトリウム-塩化物・硫酸温泉で源泉掛け流し。ジャグジー、サウナ、露天風呂あり。リンスインシャンプー、ボディソープ、ドライヤーあり。貸し切りの家族風呂もあります。

フェリーターミナルから徒歩約3分、【うすゆきの湯】のお向かいに建つ【礼文島郷土資料館】(ピスカ21)。8:30~17:00、入館料300円。

礼文島のなりたち、縄文遺跡から近代の開拓の歴史まで幅広く展示してあります。縄文時代をイメージした衣装や小道具が置いてあり、身につけて記念撮影することもできます。巨大トドの剥製とも記念撮影が可能。休憩スペースでは、インスタントコーヒーが無料で自由に飲めます。フェリー乗船までの時間調整などにもオススメです。

香深FTから東海岸沿いを南へ約3km、礼文島南端の高台にある【北のカナリアパーク】は、吉永小百合さんの主演映画『北のカナリアたち』ロケ地。2013年7月27日にオープン以来、来場者数が10万人を突破したという人気スポットです。作中のメイン舞台である【麗端小学校岬分校】校舎のオープンセットがそのまま残されています。入場無料、小学校内部も見学できます。

駐車場とトイレがあり、売店などはありませんが休憩施設にセルフのドリップ式コーヒーが用意されています(1杯200円)。映画を見ていない、興味がない方でもこのロケーションには心を動かされるはず。

いったん香深へ戻って、桃岩トンネルをくぐり西海岸へ出て左折すると【桃台猫台展望台】があります。観光バスも多く利用するのですが道幅が狭いので要注意。駐車場とトイレがあります。

山側には桃の形をした桃岩、海側には猫が背中を丸めて水平線を眺めているように見える猫岩が一望できる、礼文島の観光名所のひとつ。ここは行き止まりで、すぐ近くの【桃岩荘ユースホステル】は宿泊客以外は立ち入り禁止になっている、秘境の宿のような存在。「礼文島に来たら、ここに泊まりたい」というファンが多いです。

もときた道を戻り、トンネルはくぐらずそのまま直進するとメノウ浜(元地海岸)が広がり、奇岩【地蔵岩】がそびえ立っています。海側から見るとお地蔵様が手を合わせているように見えることから、その名がつけられました。

道路はここで行き止まりで、遊歩道などもありません。広々とした駐車場とトイレがあり、メノウと木彫りアクセサリーのお土産屋さんが2軒あります。お食事処はなく、ひっそりと穏やかなところです。メノウ浜では今でもメノウが見つかるそうで、特に海が荒れた翌日が狙い目なんだとか。

トレッキングはしないけど景色を楽しみたい方にオススメなのは桃岩登山口。メノウ浜から戻って桃岩トンネルをくぐったら、今度はすぐ左折(香深は直進)すると桃岩登山口(桃岩展望台)へと上って行きます。行き止まりにレンジャーハウスと駐車場、トイレがあり、桃岩展望台までは徒歩約たったの5分。海の向こうにそびえる利尻富士、桃岩、猫岩(桃台猫台展望台)も眼下に見渡せる絶景ポイントです。

桃岩〜元地灯台〜知床口を結ぶトレッキングコース(桃岩展望台コース)が整備されているので、トレッキング目的の方が多い場所です。観光パンフレットを見ると知床口にも駐車場とトイレが記載されていますが、道幅が狭いうえに普通車3台ぶんくらいしかスペースがないところへ巡行バスや観光バスも来るので、停められるかは運次第。

【ドライブコース】
香深港フェリーターミナル → 北のカナリアパーク → 桃台猫台展望台 → メノウ浜 → 桃岩展望台 → 香深港に戻るコースで、およそ20km。滞在時間を考慮しても2時間くらいで回れますので、稚内から朝イチのフェリー(6:20発-8:15着/7〜8月)に乗れば、午前中でじゅうぶん回れます。

次回は、礼文島の北半分をお送りします。

(松本しう周己)

この記事の著者

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松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
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