新型アルピーヌA110 のドライブは「腕ではなく腰でする!」、その意味は?

20年ぶりに復活したスポーツカー「アルピーヌA110 (エーワンテン) 」

フランス生まれのスポーツカー「アルピーヌ」の新型「アルピーヌ A110」の報道関係者向け発表会とアルピーヌブランド日本導入発表レセプションが6月22日(金)フランス大使公邸で行われました。

アルピーヌは1955年に創立され、WRCやル・マン24時間レースなどで優勝もしましたが1995年に活動を休止。それから20年後の2015年に再びル・マンでアルピーヌ・セレブレーションを開催し、2016年のジュネーブモーターショーで新型アルピーヌA110 を発表。そして2018年、日本でも発売されます(←今ココ)。

今回発売されるのは限定モデルのプレミエール・エディションで、全世界1955台、そのうち日本では50台が販売されます。価格は790万円。ボディカラーは象徴的なブルーアルピーヌ一色のみ。7月10日まで購入申し込み受付が行われ、7月15日に抽選。購入者が決定します。

エクステリアは一目でアルピーヌとわかるシルエットと4つの独立したヘッドライト。ボンネット中央のラインからはアルピーヌのDNAが感じられ、リアウインドウの傾斜角は前アルピーヌのオマージュです。

ボディサイズは全長4205㎜、全幅1800㎜、全高1250㎜。ボディの96%にアルミを使って車重はわずか1110㎏! エンジンはルノー・日産の新型1・8L・4気筒ターボエンジンを採用しミッドシップのレイアウト。アルピーヌエンジニアとルノー・スポールが共同でエンジンのエアインテーク、ターボチャージャー、エキゾーストシステムやエンジン制御をアルピーヌ専用に開発し、前後をダブルウィッシュボーンサスペンションにすることで、乗り心地とハンドリングを両立させています。

パーキングブレーキアクチュエーター内蔵のリアブレーキを世界初採用するというトピックもありますが、後部のバンパー下にディフューザーを設置することでフロントホイールまわりの空気をスムースに流すことができるため、空気抵抗を低減しながらエクステリアデザインもスッキリ。

そしてタイヤはミシュラン「パイロットスポーツ4」を採用しています。

説明会の後のインタビューで、すでに新型A110に試乗しているというアルピーヌ・ジャポンCOOのトマ・ビルコ氏は、「50年前に成功したアルピーヌはコンパクト、軽量、俊敏性が魅力でした。しかし50年前の快適は今の快適ではないので今風にアレンジしました。今の時代に合った快適さとエレガンス、フランス的ディテールと質感を持った美しくて軽いクルマ。そして『いいクルマは腕でドライブするのではなく、腰でします』」。

なるほど。これ、私もこの感覚、わかります。運転していて楽しいクルマ、クルマとの一体感を感じられるクルマは、体が安定して腰がしっかり落ち着いているという。例えるなら、歌の上手い人が喉だけで歌うのではなく体全体だったり、お腹から声を出すような感じと似ているのかも。ちなみに新型A110 のシートはこだわりのsabel製。カーボンとアルミで作った軽量のスポーツシートですが、会場で座った感じでは想像以上に弾力があり座り心地の良さにビックリ。早く乗ってみた~い!

そしてアルピーヌのエクステリアを担当したのは、シニアエクステリアデザイナーのデアン・デンコフ氏。デンコフ氏はブルガリア生まれの36歳。が、昔のA110はブルガリアで作られていたこともあり、その姿を見た幼少期にあまりにも美しい姿に強いショックを受けたとか。

今回は「綺麗なクルマを作ってくれ」というオーダーがあり、社内で120~130名ぐらいでのデザインコンペをした結果、デンコフ氏のデザインスケッチが採用。デザインするにあたり「フィソロフィーを大切しながらオリジナルをモダンに書きたかった」とのこと。

20年ぶりに復活した新型アルピーヌA110は、デザインでも乗り味でも大注目の一台になりそうです。

(吉田 由美)