小林可夢偉が中嶋一貴に苦言!? ル・マン報告会で安堵の表情を見せた両選手

トヨタ自動車の悲願であったル・マン24時間レース総合優勝から4日経った21日、トヨタ自動車東京本社にて「TOYOTA GAZOO Racing WEC ル・マンメディア報告会」が行われ、中嶋一貴選手と小林可夢偉選手が優勝した瞬間と現在の心境を語りました。

●悔しい思いや経験が報われたと思います(中嶋)

中嶋選手は開口一番、「優勝した喜びというより、今は本当にホッとして、抜け殻みたいな状態です。自分がル・マンに挑戦するようになって7回目になりましたけれど、それまで悔しい思いや厳しい経験をたくさん経験してきました。それが報われたというのが正直な感想です。今はもちろん、過去に関わった方々から、メッセージや現場で喜びを分かち合えて、目標が達成できたことを実感しました。本当に良かったです」と支えてくれた人たちに感謝の意を表しました。

いっぽう「日本に帰ってから、緊張が解けてホッとしたためか風邪をひきました」という小林選手は、「ワンツーフィニッシュできたことをチームに感謝したいです。僕らにとってプレッシャーがとても高くて。見ていると展開的に簡単じゃないか思われますが、非常に長くて厳しいレースでした。走っている僕らは凄いプレッシャーがかかり、それを楽しいと思う反面、楽しんでいいのかなというのを24時間ずっと感じて走りました」と語ってくれました。

●最終ラップの中嶋さんやりすぎですよ(小林)

チェッカーを受けた瞬間、お二人はどのように思ったのでしょうか。

中嶋選手は「乗る前に最終ラップ中に無線で冗談を言おうかなと思っていて、チームもそれを期待していたそうなのですが、乗っていたらそこまでの余裕はなく。車をチェッカーまで持っていくことだけで頭がいっぱいで。チェッカーを受けた後も気の利いたことを言う余裕がありませんでした。実はチェッカーの瞬間は実はあまり覚えていないんですよ。目の前のことだけを考えていました」と告白。

小林選手は「交代した時、逆転するのは不可能だろうなと思っていました。そこで、最後は中嶋選手の後ろでチェッカーフラッグを受け、一緒に記念撮影をするということを目標にしていました。だからしっかり車を持って帰ることと、記念撮影をすることだけを考えました」と言うと「なんせ最終ラップの中嶋選手がポルシェコーナーあたりで4台ぐらいいきなり抜いて行ったんで、僕は無線で『やりすぎじゃないか?』と(笑)。LNP2が3台位いて、GTが2台くらいいて、僕は前もって『行かなくていいから』と言ったんですけど」と裏話を披露。

すると中嶋選手は「彼らもスピードを落としてさぁ」と応戦するも、「写真を撮る時、僕らだけでと思ったのに、後ろにいっぱい車がいるようになったじゃないですか(笑)」と小林選手は笑いを誘います。

「僕、チェッカーを受けたことがないから(笑)来年はちゃんと考えるよ」と、中嶋選手。来年のル・マンのゴールシーンが今から楽しみです。