トヨタが自動運転用ソフトウエア開発に本腰。「即戦力」エンジニアを採用へ

2016年に「TRI」(トヨタ・リサーチ・インスティテュート)を設立してAI・自動運転・ロボティクスなどの研究を行なってきたトヨタ自動車。

2018年3月には、さらなる競争力強化を目指してアイシン精機、DENSOとのパートナーシップにより、自動運転向けの人工知能技術開発を手掛ける新会社「TRI-AD」(トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント)を設立しました。

同社への出資(5,000万円)割合は、トヨタが90%、アイシン精機とDENSOがそれぞれ5%で、乗用車やモビリティサービス向けの自動運転技術や、自動運転用地図の自動生成に関する研究から製品化まで一気通貫開発を担っています。

そうしたなか、6月13日に「TRI-AD」が即戦力エンジニアの新規採用を開始したと発表しました。

「世界トップレベルの自動運転技術開発を推進できる即戦力」を求めており、トヨタ、アイシン精機、DENSOからのエンジニアも含め、将来的に1,000名規模の開発体制構築を目標にグローバルにエンジニア採用を行っていくそうです。

新オフィスは東京日本橋の複合施設内に構える予定(2019年7月~)で、それまでは同地区にあるテンポラリーオフィスを拠点にする計画。

「TRI-AD」のCEOには、以前に米グーグルで自動運転車の開発やロボット開発部門の責任者を務めていたジェームス・カフナー氏が就任。

取締役のギル・プラット氏によると、同氏は日本語も堪能で品質レベルの高いソフトウェアを優れた方法で書き上げることに精通、細部への拘りやモノづくりの力、「日本の文化」に対して深い理解を持ち合わせているそうで、最先端の自動車ソフトウェアづくりを進めていくことができると評しています。

自動運転車開発に本腰を入れるトヨタが新たに設立した「TRI-AD」の今後の動きが注目されます。

Avanti Yasunori・画像:TOYOTA)

【関連記事】

転職するなら業績好調な自動車業界!? 人気企業1位はトヨタ自動車
https://clicccar.com/2018/06/12/598609/

トヨタ、「つながるクルマ」を世界中で通信できるKDDI「eSIM」で実現へ
https://clicccar.com/2018/06/10/598339/

2030年代に「完全自動運転」社会へ。欧州委員会が実現に向けた工程表を発表
https://clicccar.com/2018/05/20/591373/

トヨタの自動運転開発を担う「TRI」に米ベンチャー「LUMINAR」社が貢献
https://clicccar.com/2017/10/11/519794/

トヨタが2023年に「レベル4」の自動運転車導入を目指す!?
https://clicccar.com/2017/08/01/495266/

【関連リンク】

TRI-AD
https://www.tri-ad.global/ja/

この記事の著者

Avanti Yasunori 近影

Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
続きを見る
閉じる