NTNが参考出品した電動ブレーキシステムのメリットとは?【人とくるまのテクノロジー展2018】

電動パーキングブレーキのEPB(Electric Parking Brake)の普及が進んでいます。ヒルスタートアシストとして機能させるほか、停車状態を保持するアダプティブクルーズコントロール搭載車にはEPBが不可欠で、EPBがない場合でも短時間の保持は可能ですが、すぐに動き出してしまいます。

EPBには、油圧ブレーキに電動アクチュエーターを組み合わせたタイプと、パーキングブレーキのワイヤーを電動アクチュエーターで引っ張るタイプ、さらにコンチネンタル社などが市販化しているドラムブレーキにアクチュエーターを内蔵させるタイプもあります。

油圧ブレーキの場合、ブレーキフルードを使う必要がありますが、ブレーキを電動化することでフルードが不要になり、環境負荷低減になるほか、応答性も向上するという利点があるそう。

NTNが参考出品した電動ブレーキシステムは、直動機構となる(遊星ローラねじ)を採用することで、小型化と高押圧化を両立。遊星ローラねじの下側のモーターを並列に配置することにより全長を抑制することが可能になり、パーキングブレーキユニットも内蔵することで、高い利便性を実現するとしています。

課題は、ハイブリッドやPHV、EVなどに搭載された際の回生ブレーキとの協調制御やノイズ対策などがありそうですが、それは油圧も同じでしょう。電動ブレーキの今後の動向が気になります。

(文/写真 塚田勝弘)

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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