【光岡・ヒミコ試乗】目立つこと間違いなしのクラシカルスタイルは満足度を刺激する

ちょっと変わったスタイルのクルマを作ることで知られているのが光岡自動車です。とくにクラシカルなスタイリングのクルマ作りについては得意分野で、今までもさまざまなモデルを登場させています。

そんな光岡が手がけているモデルの1つに「ヒミコ」というモデルがあります。ヒミコはマツダのロードスターをベースに作られたクラシカルスタイルのモデルです。初代のベースは先代ロードスターNC型ですが、すでにNC型の製造は終了しているので、ヒミコもフルモデルチェンジを迫られていました。そして登場したのが2代目ヒミコとなるNDベースのモデルです。

先代ではホイールベースを700mmも前方に伸ばしていましたが、今回のモデルはその延長量を600mmmに抑えました。とはいえ、600mmという数字は通常では考えられない数値です。ホイールベースとトレッドはクルマの性格を決定する大きな要素で、エンジンの変更よりもその影響力は大きなものとなります。しかも、フロント方向に延長ですのですので、ハンドリングの変化は激しいものとなります。

クルマの動きはかなりもっさりしたものとなります。ロードスターのキリッとした走りのフィールはどこにも残っておらず、ハンドリングもスタイルに負けないほどのクラシカル感のあるものとなっています。フロントまわりのシャシー剛性が足りないので、真っ直ぐ走っていてもフロントまわりがブルブルと震えるようなことがあります。タイヤがブリヂストンのポテンザなので、もっとコンフォート系のタイヤのほうがマッチングがよく、そうした振動も出づらくなると思います。

しかし、その存在感はそんじょそこらのクルマではかないません。ヒミコはベーシックなモデルが約500万円、もっとも上級なモデルが600万円です。この価格帯で、この存在感をアピールできるのはなかなかありません。そういう満足感を与えてくれるのが、ヒミコです。人と違うクルマに乗りたいという気持ちを持っている人にはぴったりだと言えるでしょう。もし本当のクラシックモデルを手に入れたら、メカニズム的なトラブルはどうしたって覚悟しなければならないでしょう。そうした心配をせずに乗れるのは、意味のあることなのです。

(文・写真:諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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