ブリヂストンがゴムと樹脂を分子レベルで合成した新世代の材料を発明

日本最大、いや世界一のタイヤメーカーといえるブリヂストンから、『高分子複合体の新合成技術により世界初のポリマー開発に成功』という発表がありました。副題は『ゴムのしなやかさと樹脂の強靭さを兼ね備えた次世代材料』となっています。

タイヤの約半分はゴムで出来ています。そのゴムは、天然ゴムと合成ゴムで構成されていますが、まだまだ天然ゴムのほうが多めに使われています。それは、天然ゴムのほうが現状の合成ゴムより耐破壊性に優れているからです。つまり、天然ゴムはタイヤづくりに欠かせないもの。しかし、天然ゴムはその名前の通りに天然ですから、農作物となります。ですから安定供給がむずかしい面があり、天然ゴムに代わる合成ゴムの開発はタイヤメーカーにとっては悲願といえる面があるのです。

2016年末には、天然ゴムを超える構造を持つ『分子構造を高度に制御したポリイソプレンゴムの合成に成功』したことをブリヂストンが発表したことは記憶に残ります。その際にキーとなったのが、ガドリニウム(Gd)触媒を使った新製法でした。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
続きを見る
閉じる