実はコピーじゃない!? 中国で頻繁に見かけるハイエースもどきがコピー車じゃなかった件【北京モーターショー2018】

前回の記事ではBliliance(ブリリアンス)の関連会社のコピー車のことを書きましたが、ブリリアンスの話題をもうひとつ。

中国でよく見かけるこのハイエース(らしきクルマ)、実はハイエースではないってご存知でした?

エンブレムを見ると「HIACE」ではなく「海獅」と書いてあり、全体的にはハイエースそのものですが、フロントバンパーなど一部のデザインはハイエースとは異なります。しかもこの海獅(先代モデル)は旧型ハイエース時代から存在していて、生産開始は1991年。四半世紀もの歴史を持つ伝統あるモデルなのです。

それにしても、実車を見てもハイエースにそっくり。よくある「なんだか似ているけれどバランスがちょっと変」というレベルでななく、車体自体はどう見てもハイエースそのものなのです。忠実なコピーだなあ……と思ったら、実はそうではありませんでした。

なんとこのモデル、トヨタが技術供与してライセンス生産された、いわば「正規にコピーされたハイエース」なのです。どうりで実車からパクリ車のオーラが感じられないはず(?)。そして、このクルマを作っているメーカーが華晨汽車集団有限公司、つまりブリリアンスオートなのです。

ちなみに、ブリリアンスオートは中国でBMWとの合弁企業として正規のBMWも生産する会社、というのは前回書いたとおり。ハイエースまでライセンス生産しているんですよ。

以上、中国でコピー車らしきクルマを見てもそれがコピー車とは限らないという話でした。

(工藤貴宏)

この記事の著者

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工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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