OPTスーパーMR2に搭載され、250km/hオーバーした4A-Gを完全分解してみた!・その3【OPTION 1984年12月号より】

世界一!?を目指す我らがOPTスーパーMR2。2ndトライで最高速252.19km/h という好記録が出ました。その心臓部、4A-Gの中身は無事なのか?を徹底的目視検査してみました!

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OPTスーパーMR2への挑戦
マキシマムレベルのストリートチューン、これがOPTスーパーMR2の心臓部だ!

250km/hをオーバーしたOPTスーパーMR2は、その外観やレース用に近いインテリアから、ストリート仕様から大きく離れた谷田部スペシャルになってしまったではないか、というお叱りの手紙が読者から届いた。確かに大きな空力パーツと超軽量化された室内を見る限り、谷田部スペシャルと呼ばれてもいたしかたがない。

が、肝心のエンジンは、ほとんどが4A-Gのノーマルパーツであり、各パーツの精度チェックとバランス取りに信じられない時間をかけ、新しいパーツを組み込むたびにエンジンベンチでチェックするという、チューニングの基本をすべて守っているというだけで、決して谷田部スペシャルとして作られたエンジンではない。現在使用されている288度のハイカムをストリート用ハイカムに変更するだけで、十分にストリート走行可能なエンジンなのだ。これは、今回分解した各パーツを見てもらえば一目瞭然のはず。

また、大きな空力パーツと超軽量化されたボディは、エンジンだけは谷田部スペシャルにしたくないという基本的なコンセプトの表れと考えて欲しい。ノーマルパーツを多用したエンジンであれば、マキシマムパワーはすぐに計算ではじき出されてしまう。そこで、限られたパワーを有効的に使うため、空力の助けと各パーツのストレスを少しでも軽減するための軽量化が必要になった。

さらに驚くことに、ベンチテストを含めて5回以上も設定フルブーストで酷使したエンジンの疲労が少なかった点だ。このことから、チューニングの基本コンセプトさえしっかりしていれば、スペシャルパーツを多用することなく、ノーマルエンジンの100%アップのパワーを引き出すことも可能なことが判明したのだ!

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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