【ルノー・キャプチャー試乗】1.2リットルエンジンとは思えない太い低速トルクと力強い加速感

エクステンデッドグリップモードの採用やランプ類のLED化によって、魅力が増したルノー・キャプチャーは普段使いの使用感も上々でした。

キャプチャーは日産・ジュークと主要コンポーネントを共有しています。ボディサイズも全幅は1780mmとたっぷりとした広さ、ホイールベースも2605mmと長いものです。

にも関わらず搭載されるエンジンは1.2リットルのターボ。いわゆるダウンサイジングターボ系です。1.2リットルターボで最高出力は118馬力、最大トルクは205Nmなので、さほどエンジンに無理をさせている様子はありません。小排気量ながら過給が上手に行われているのでしょう、低回転からしっかりトルクを発生しています。

ミッションはEDCと呼ばれるデュアルクラッチ式の2ペダルMT(オートモード付き)なので、ダイレクト感のある加速感を味わえます。マニュアルモードで乗れば、MTらしいドライビングが可能です。100km/h時のエンジン回転は2000回転と1.2リットルエンジンとは思えないほど低回転です。

 

乗り味はちょっと硬めですが、グリップ感もステアリングインフォメーションもしっかりとしていて乗りやすいハンドリングです。車高は1680mmですので、ある程度のロール感はありますが、それが不安なレベルではありません。クルーズコントロールは追従機能のないものですが、ヨーロッパ車らしくスピードリミッターが装備されているのがうれしい部分です。これをセットしてしておけば、不用意にスピードを出しすぎることもなく、安全が確保でき速度超過の取り締まり対象にもなりづらいでしょう。

フロントシートはもちろん、リヤシートの広さも十分に確保されています。それでいて、ラゲッジルームの容量も定員乗車状態でリヤシートのスライドをもっとも後ろにして377リットルを確保。ラゲッジボードを底面に移動することも可能なので背の高い荷物も搭載可能です。リヤシートは前倒し可能で、フルラゲッジでは1235リットルまで容量を拡大できます。

普段使いはもちろん、レジャーユースでもかなりの自由度を備えているルノー・キャプチャーは、コンパクトSUVのなかでもちょっと気になる存在。忘れちゃいけない存在になっています。

(文・写真:諸星陽一)

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この記事の著者

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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