市販段階に達した日系ベンチャーのEVトラックは価格や信頼性を考慮して鉛バッテリーを採用【バンコク・モーターショー2018】

日本の自動車用品メーカーである高野自動車用品製作所がタイに設立したタカノオートは、2017年のバンコク国際モーターショーに小型トラックの電気自動車のコンセプトカーを出展していました。その段階ではまだ市販レベルに達していないということでしたが、今年のバンコク国際モーターショーには、市販段階に達したモデルを出展していました。

Eスマート・ポーターと呼ぶモデルは、タイでのクルマの使い方を考えてボディ形状をピックアップトラックとするとともに、価格や信頼性を考えて電池もリチウムイオン電池ではなく鉛バッテリーを採用しています。

ボディサイズは3250mm×1480mm×1490mmで、日本の軽自動車よりも少し小さいくらいのクルマです。タイでは1t級のピックアップトラックの需要が大きいのですが、地域によってはこれよりも小さなトラックに対するニーズもあることから、このサイズでより低価格のトラックを目指したとのことです。ボディはスチール製ながら、車両重量は710kgとかなり軽く作られています。

 

低コストのクルマ作りを目指すため、搭載する電池はリチウムイオン電池ではなく鉛電池で、発電専用の小型エンジンを搭載してレンジエクステンダーとしています。

8時間の充電で走行できる距離は90〜110kmで、発電することよって40kmほど距離を伸ばすことができるといいます。最高速は60km/hとのことですが、この速度で走り続けると航続距離は短くなるとしていました。

市販段階に達したとはいえ、タイの運輸当局の認証を待っている段階です。順調に進めば2018年秋ころには発売できるとのことでした。日系ベンチャーがタイで成功できるかどうか、大いに注目されるところです。

(文・写真:村木哲郎)