車中泊旅に「ちょうどいい」クルマとは?・後編【車中泊女子のキャンピングカー生活】

クルマの大きさは駐車場所にも問題が生じます。2×5mの枠の中に収まるクルマであればコインパーキングにも停められるので、街中でも有名観光地でも心置きなく行けるでしょう。稀に道の駅でも立体駐車場がメインのところがあり、大型車は行動範囲が限られてしまいます。スーパーなどでも駐車場の入り口にアーチがあると、高さ制限で入ることもできません。

上の写真は、鹿児島県薩摩半島の山川⇔大隅半島の根占を結ぶ【フェリーなんきゅう】。小型カーフェリーで、トラックの横幅ぴったりサイズ。もちろん台数も限られていますから「乗れるのかな?」と心配してしまいました。

旅先で出会った渓流釣りが趣味の男性は、ジムニーで車中泊というか野営をしながら釣り旅を楽しんでいました。携帯トイレと一人用テント、あとはガスバーナーとクッカーセットくらいで充分だと言っていました。この方の最優先は渓流釣りですから、食事やお風呂は二の次なのだそうです。

サイクリングが趣味の方などはキャンピングカーのリアに自転車を積んでいるのをよく見かけますね。筆者もかつては愛犬とのお散歩やお買い物に便利な折り畳み自転車を積んでいました。そういう積載スペースの広さも、趣味の内容によっては重要になるかもしれません。

パジェロで旅をしていたとき、もう使われていない旧道に迷い込んでしまい、どんどん道が荒れていきアスファルトに亀裂や大きな段差が出現しました。狭くてUターンもできないし、ずっとバックで戻るなんて恐ろしくてできないし、冷や汗ながら「四駆で助かった」と思ったものです。しかしオフロードファンにとっては、こうした冒険こそ挑戦したくなるものでしょう。こんなことは、車高(地上高)が高くなくてはできないし、キャンピングカーでは重すぎたりパワーが足りない場合もあると思います。

年齢とともに、行動力や運動能力の低下なども生じてきます。そのことも念頭におきつつ、車検の前に下取りに出して買い替えるという方もいます。60代を過ぎると大型キャンピングカーを運転するのがだんだんつらくなるので少しずつダウンサイジングしたり、自走式ではなく小型のトレーラーにするのも用途によっては便利かも知れません。

少し前に、最低限度の物だけを持って生活する「ミニマリスト」というライフスタイルが話題になりましたが、キャンピングカー生活もその一端ですね。旅に出ずとも、自宅の庭や駐車場で別宅や書斎代わりにするのもアリです。子供部屋の拡張を機に…など、自分好みのプライベート空間、隠れ家として活用しているキャンピングカーユーザーもいます。旅に出る時はそのまま出かけられるのですから、荷造りの手間も省けてスムーズです。

筆者自身が次に買い替えるとすればキャブコンを選ぶと思います。ただ、気に入ったデザインが少ないのが残念です。まずは色々とレンタルして実際に乗って、生活してみたいですね。

次回は、キャンピングカーにとって必要? 不要? LPG問題に触れてみます。

(松本しう周己)

この記事の著者

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松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
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