【ネオ・クラシックカー グッドデザイン太鼓判!】第33回・非日常をパフォーマンスする。トヨタ セラ

80~90年代の日本車からグッドデザインを振り返るシリーズ。第33回は、トヨタの若者向け商品研究から生まれた、ふたりのための「全天候型オープン」に太鼓判です。

1987年の東京モーターショーに出品されたコンセプトカー「AXV-Ⅱ」。ガルウイングドアという特殊な機構をコンパクトカーに落とし込んだ提案は好評となり、3年後に量産型となって登場したのがセラです。

「テクノ・アート・フュージョン」を造形コンセプトとしたボディは、空力に加え、アールヌーボーの曲線美から着想した美しい水滴型。コンセプトカーに比べ、よりシンプルになった佇まいの理由がそこにあります。

ガルウイングを採用した「グラスキャビン」は、安易にロアボディと独立させるのではなく、Aピラーをボディ色とすることでカタマリ感を演出。スターレットベースのコンパクトボディに、さらに凝縮感を与えます。

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すぎもと たかよし 近影

すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
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