CVCCエンジンだけじゃない!当時のFFとしては破格のサスを持つ初代ホンダ・シビック

ツインリンクもてぎにあるホンダコレクションホールが、開館20周年を記念した新展示開催にあたり、ホンダの歴史上欠かせない車両を走行させる特別イベントを行いました。そこで、数回に分けて実走車両を紹介していきます。

1972年に登場したホンダ・シビックは当初、2ドア(後に3ドアも追加)のみのラインアップで登場しましたが、ここで紹介するモデルは翌1973年にデビューした『シビックCVCC』の4ドアモデルとなります。

CVCCとは当時の厳しいアメリカの排出ガス規制に適応させるためにホンダが開発したエンジン形式の愛称です。CVCCは『複合渦流調速燃焼低公害エンジン(Compound Vortex Controlled Combustion engine)』の略語になります。

通常の燃焼室の上部に予備燃焼室を設け、まんべんなく混合気に着火できるようにしたところがポイントでした。

近年はこのCVCC技術ばかりがクローズアップされて振り返られる初代シビックですが、実はシャシーにも画期的なところがありました。それがリヤの独立式サスペンションです。

今では珍しくもないと思われるかもしれませんが、当時は上級なFRセダンでも後輪はリジッドなんてことも珍しくない時代。

そこにコンパクトなFF車が独立式リヤサスを持って登場したことはちょっとしたニュースだったのです。また(当然のことですが)これによって乗り心地やハンドリングも当時の基準を大きく上回るレベルになっており、「FF車に走りは期待できない」というクルマ好きの中にも、その考えを改めるきっかけとなったという人は多かったようです。

先進のエンジンと足回りを持つコンパクトカーが初代シビックでした。

現代に置き換えると、低燃費だけどキビキビ走るフィットあたりがキャラクター的には似ていますね。

(写真・動画・文/ウナ丼)

【関連リンク】

ホンダコレクションホール開館20周年新展示「Honda夢と挑戦の軌跡」
http://www.twinring.jp/collection-hall/event/1803_hch20th/

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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