【日産・スカイライン公道試乗】世界で戦うスポーツセダンは、マイナーチェンジでさらに魅力あふれるデザインに変貌

現行の日産スカイラインは13代目のV37型。日産が海外で展開する高級車ブランド、インフィニティのQ50としても販売されている車で、2014年に誕生したモデルです。このV37スカイライン、デビューから3年目の2017年12月20日にマイナーチェンジをしていました。

今回、マイナーチェンジ後の200GTt Type Pを借りることができましたので、レビューをしていきます。

<フロントデザイン>

今回のマイナーチェンジでフロントバンパーの造形が変更され、さらに鋭い表情へと刷新されました。ヘッドライトの意匠は変更ありませんが、ヘッドランプ下のエアインテーク部分が大変更、マイナーチェンジ前は、下に下がるにつれ、内側に切り込んでいた形状に対して、マイチェン後では外側へ広がる形状になりました。

さらに、フロントバンパー下側に別パーツでつけたリップスポイラーの様な堀の深い造形が与えられており、より低く構えているように見えます。特徴的なインフィニティのエンブレムが埋まっている独特のグリルの末広がりの延長に、バンパーのラインがつながっているように見え、プレミアム仕様のType Pではありますが、スポーツセダンの様相を、強く感じさせてくれます。

バンパー内の大きな変更点は、フロントのフォグランプ周りです。メッキパーツにより、ラインを強調し、その上部にはまるフォグランプとデイランプを車両外側へと配置、フロントの押し出し感を一層高めています。このメッキパーツが良いアクセントとなっており、マイナーチェンジ前のType Pに比べて、豪華な印象を受けます。

フロントのグリル形状は、インフィニティブランドの特徴です。インフィニティとは日産が海外で展開をしている高級車チャンネルであり、日本で販売されているフーガはQ70、スカイラインクロスオーバーはQX50など、名前を変えて展開をしているクルマたちと、共通の意匠となっています。

中央に配置したインフィニティのエンブレムを中心にして、周囲をブラックアウトしたグリルで囲い、その周囲をメッキラインで固めた、非常に押し出し感の強いデザインとなっています。北米市場でのライバルであるレクサスのスピンドルグリルも、末広がりの形状を採用していますが、レクサス程には大げさな造形ではないところは、日産の控え目な性格の表れでしょうか。

フロントの面積に対してのグリルやインテークのバランスとしては、このくらいが秀逸と考えられます。

この記事の著者

Kenichi.Yoshikawa 近影

Kenichi.Yoshikawa

日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイラインやフーガ等のFR高級車の開発に従事。車の「本音と建前」を情報発信し、「自動車業界へ貢献していきたい」と考え、2016年に独立を決意。
現在は、車に関する「面白くて興味深い」記事作成や、「エンジニア視点での本音の車評価」の動画作成もこなしながら、モータージャーナリストへのキャリアを目指している。
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