【マツダ・CX-8試乗】2トンに迫る車重を感じさせないしっかりトルク

マツダファン待望の3列シートモデルCX-8は、サードシートにもしっかり乗れるミニバンライクなパッケージングで登場した3列シートのSUVです。CX-8に用意されるパワートレインは2.2リットルのディーゼルターボのみとなっています。

マツダの2.2リットルディーゼルターボといえば、アテンザに始まりアクセラ、CX-5と搭載されてきたユニットですが、微妙にチューニングを変更し、CX-8用は最高出力が190馬力、最大トルクが450Nmとなっています。組み合わされているミッションは6速のATで試乗車の駆動方式は4WDでした。

この組み合わせだと車重は1.9トンになります。大人2人が乗って試乗に出ましたので、軽く2トンを超えている計算となりますが、エンジンに不足感を感じることはありませんでした。

車重が重いクルマはディーゼルのように低速からしっかりトルクを発生するエンジンとの相性がいいものです。このCX-8に関してもその方程式は見事に当てはまっていて、停止状態からブレーキをリリースし、アクセルペダルを踏み込むと力強い加速が始まります。マツダのディーゼルらしく、静粛性は高く、快適です。

クルーズコントロールは全車速対応の追従タイプなので、高速道路はもちろん渋滞路でも機能します。停止後の再発進は自動ではなく手動となりますが、これは当たり前と考えていたほうがいいでしょう。安全装備系の充実度もよく、プレミアムSUVの要素は十分に満たしています。

試乗は横浜周辺の一般道と首都高速道路で行いました。片側2車線あるような一般道や首都高速ではボディの大きさは気になりませんが、ちょっと狭い道に入り込むと3mに迫るホイールベースと5mに迫る全長はさすがに大きく、クルマを動かすのに気を遣うことになります。

ハンドリングは素直でゆったりとしたものです。基本的な感触はCX-5と似ていてそれなりにスポーティですが、ホイールベースがCX-5よりも長いためゆったり感が増しています。ステアリング操作に合わせてエンジン出力を微妙に調整するGベクタリングも採用されいてるので、ハンドリングの正確さはより高くなっています。

(文・写真:諸星陽一)

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この記事の著者

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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