スズキの新型『スペーシア/スペーシア カスタム』が『スズキ(鈴木)100%』と言えるワケは?

2017年に行われる新車発表会は残すところあと2つ。毎年、年末ギリギリに新車発表会を行うスズキ。そして今年の残り2つは、2つともスズキ。

というのも、スズキは毎年年明けに『スズキの初売り』を行っていて、お客様にディーラーに足を運んでもらうため、この時期に年末に行うようです。

そしてブービーは新型「スペーシア/スペーシア カスタム」。

このところ軽自動車の背の高いハイトワゴンはますますの人気で、中でも「ホンダ N-BOX」が一人勝ち。「N-BOX」は今年フルモデルチェンジを行いましたが、販売台数はモデル末期でもずっと首位を守り、トップを明け渡したのは最後のひと月のみ。しかしまたすぐトップを奪取し、その後も勢いは止まりません。

そこに待ったをかけたいのが新型「スペーシア」。さすがに後を追う身なので、先代「スペーシア」のネガティブ要素を徹底的に潰し満を持しての発売。

たとえば車内の広さとスライドドア。先代ではアピール不足だったと反省し、今回は低床とスライドドアの開口部を広くして乗り降りのしやすさをしっかりアピール。さらにスライドドアにはドアが閉まる途中でドアを固定でき、ドアが閉まりきるまで待たなくてもよいようになりました。

また、先代では「スペーシア」と「スペーシア カスタム」のフロントマスクにそれほどの大きな差が無く、さらにゴツめの「スペーシア カスタムZ」を投入した経験から、新型「スペーシア」と新型「スペーシア カスタム」の差を大きくしたため、並べても全く違う車種のように見えます。

さらに軽自動車初の機能として、後退時の衝突軽減ブレーキ「後退時ブレーキサポート」や、フロントガラスに車速やシフトポジションが映し出される「ヘッドアップディスプレイ」、そしてフロント、リヤ、左右の4か所に設置されたカメラで撮った映像を処理し、まるで上から見ているような映像を360度確認できる「3Dビュー」を採用。

全車に、減速して時速10㎞/h以下の時やアクセルもブレーキも踏まない時などに10秒間までモーターによる走行を可能にしたマイルドハイブリッドを搭載し、燃費は30㎞/L。

さらに「N-BOX」を引き離すべく装備として、車内の温度差を少なくする「スリムサーキュレーター」やエアコンの風を段階的に拡散させる「エアコンルーバー」を採用。

さらにさらに、「N-BOX」の『ぼんやりピンク』のボディカラーに対抗してか、新型「スペーシア」には鮮やかなピンク「チアフルピンクメタリック」を採用。こちらは2トーンバージョンもあり! 少なくともピンクでは「スペーシア」のほうが個人的には好き。

さらにさらにさらに、私が気になったのは別の部分。

「スズキ スペーシア/スズキ スペーシア カスタム」の発表会の式次第は、まずはスズキの鈴木俊宏社長のご挨拶。次にスペーシアのチーフエンジニア鈴木猛介氏のプレゼンテーション。続いて販売計画を国内営業本部長、鈴木敏明氏。そして…つまり全部、‘鈴木さん’。こちらの皆さん、ご親戚でも何でもないらしいのですが、スズキは名字の『鈴木』率が高いらしく、社内ではそれぞれを下の名前で呼ぶのだとか。

まさに「スズキ100%」のクルマ。

吉田 由美