米・GMが小型EVによる「完全自動運転」タクシーサービスをニューヨーク市内で実証へ

米GMが2019年をめどに、米国の複数の都市で同社製の無人自動運転車を使ったタクシーサービスを開始するそうです。

使用する車両は130台の「シボレー・ボルトEV」で、同社はサービス開始に先立ち、来年早々にニューヨーク州で自動運転モードによる走行テストを予定しているとのこと。

一方、米アリゾナ州フェニックスではGoogle系の「ウェイモ(Waymo)」が同様のサービスを既にスタートさせていますが、GMとしては技術的難易度や需要度がより高い大都市でのサービスを目指しています。

GMは昨年、自動運転技術開発ベンチャー、米「クルーズ・オートメーション」を約10億ドル(約1120億円)で買収。両社はニューヨーク市のマンハッタン南部で同州初となる完全自動運転車の公道試験のための申請を提出済みで、ニューヨーク市は公道試験を認める法律を先頃成立させたばかり。

同市は世界有数の交通過密地域だけに、ソフトウエアの改善を効率的に進めるには格好のロケーションとなりそうで、日経新聞によると試験時にはエンジニア1名が運転席に座って監視と評価にあたり、助手席にも1名搭乗する模様。

ニューヨーク州知事は「自動運転車は時間の節約と人命の保護につながる可能性を秘めている」と積極的な協力姿勢を示しているそうです。

またGMは他社が使用しているベロダインのような1万ドル以上もするLiDARセンサーは使わず、先頃買収したスタートアップ「Strobe」社製の安価な小型センサーを使用するなど、自動運転車の普及に必須となる車両のコストダウンにも積極的。

同社は製造から無人タクシーサービスまでを自社で手掛けることで、既存事業より高い収益性を実現する考えで、この分野で競合する「ウェイモ」や「ウーバー」「テスラ」「フォード」などに対抗して行く考えのようです。

Avanti Yasunori・画像:GM)

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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