全国から神様が集まっている今、出雲大社で縁結び祈願をすれば間違いなし!?(島根)【車中泊女子の全国縦断記】

前回の記事【白兎神社や恋島・恋人の聖地で縁結び〜道の駅 神話の里白うさぎ(鳥取)】でもお伝えした通り、現在、島根県出雲地方は「神在月(かみありづき)」。神在月=1ヶ月だと思っていませんか? 実はたったの1週間しかないのです。

去る11月27日(月)夕刻、出雲大社(いずもおおやしろ)の西側に位置する稲佐の浜に全国から八百万(やおよろず)の神々が集結する【神迎祭】が執り行われました。これより7日間、わたしたちの幸せのご縁を結ぶ「神議(かむはかり)」の会議が行われるのです。

それで一般的には旧暦10月を「神無月」というのに対し、出雲地方では「神在月」というのですね。

御使神「龍蛇神」の先導で、出雲大社・神楽殿まで御神幸され、この御神幸のお供の方には「神迎御幣(ごへい)」が授けられます。街灯も乏しい中、お供をする方々も全国各地から何千人と集まりました! このためのバスツアーもあるくらいです。

さぁ、明けて28日。あらためて出雲大社へと参りましょう。

道の駅【大社ご縁広場】(吉兆館)
住所:島根県出雲市大社町修理免735-5
電話:0853-53-5858
駐車:普通車 198台/大型 10台/身障者 2台

展示資料館『吉兆館』共用、物産館などはありません。レンタサイクルは1日800円。一畑電鉄大社線 出雲大社駅まで約500m、出雲大社までは約1km。道向かいにローソンあり。

出雲大社の駐車場は、神門通り広場(91台)、みせん広場(111台)、【古代出雲歴史博物館】駐車場(244台)、かめやま駐車場(100台)、そしてもっとも近い出雲大社駐車場(385台)と豊富にあるのですべてが満車ということはないと思いますが、渋滞で二進も三進も立ち行かないということはあり得るので道の駅に停めてレンタサイクルで散策するのもおススメです。

かくいう筆者は、今回の参拝で出雲大社周辺、稲佐の浜から奉納山公園までと歩き疲れてへとへとになりました…。

道の駅を過ぎると、すぐに真っ白く輝く宇迦橋の大鳥居が見えます。大正4年(1915)建立、額面の大きさは6畳間と同じ! 大正時代に、これほどの大鳥居を製作する技術があったことにも驚かされます。

一畑電鉄大社線 出雲大社駅。デハニ50形が展示されており、内部も自由に見学できます。

神門通りには名物の「ぜんざい」や蕎麦をはじめ土産物屋さんなどが軒を連ねていて目移りしてしまいます。まずは参拝が先なので横目に眺めつつ「あとでここに寄ろう」などと考えながら出雲大社へ向かいます。

二の鳥居・勢溜の大鳥居が見えました。二の鳥居でもこの大きさ、圧巻です!さらにその上まで伸びている松の並木参道にも感動。

正式な参拝手順は、まずこちらの「祓社」で身に付いた穢れを祓っていただきます。ここですでに長蛇の列でしたが、知らずに通り過ぎる方も多かったです。

境内はちょうど紅葉の見頃でもありました。参道を挟んで西神苑、東神苑が広がり、神池や大国主命の銅像などなど見どころも点在しています。

三の鳥居・碧銅の鳥居は、寛文6年(1666)に毛利輝元の孫・綱広から寄進されたものです。歴史を感じますね。鳥居の向こう側に、ついに出雲大社拝殿が見えました。手水舎で手や口を清め、心を落ち着かせていざ参拝。

拝殿は昭和28年(1953)に火事で焼失してしまったのち、昭和34年(1959)に再興したものです。荘厳な佇まいは、古来「天下無双の大廈(二つと同じものが無い壮大な神殿)」と称えられるほどです。

八足門の向こうに楼門があり、さらにその中に本殿が建っています。本殿には、一般参拝者は立ち入ることができません。ご祈祷を申し込んだ方のみ参拝することができます。

出雲大社内には参拝するところがたくさんあるので、初めて訪れるとどれが何やら迷ってしまいます。最初に案内板を写真に撮っておくと便利ですよ。

全国の神様が集まっているこの機会に、ご祈祷していただきました。出雲大社といえば縁結びが真っ先に思い浮かべられますが、もちろん家内安全・病気平癒・心願成就・交通安全などなど様々な祈願にこたえてくださいます。

ご祈祷は一度に30〜40名くらいづつ行われますが、一人一人の名前や願い事を読み上げられます。運送業や営業車など、クルマに関するご祈祷をしている方もけっこういらっしゃいました。申し込み用紙にクルマのナンバーを書いておくと、ご祈祷の際に読み上げてくれますよ。

代々、出雲大社に奉祀する出雲国造(いずものくにのみやつこ)北島國造館(写真)、千家(せんげ)國造館などなど、見どころは尽きません。ただ見て廻るだけならまだしも、祓社で並び、参拝で並び、御朱印で並び、ご祈祷で並び、時間がいくらあっても足りないくらいです。

出雲大社のシンボルといえば巨大注連縄を連想される方が多いと思いますが、よくメディアに登場するのは拝殿ではなく、ここ神楽殿の方なのです。長さ13.5m、重さ4.5t! その巨大さは他の追随を見ません。

以前は注連縄に小銭を投げて刺されば幸運が訪れる、などと言われおびただしい数の小銭が挟まっていましたが、現在は網で覆われています。いったい誰が言い出したのか、そのような謂れはなかったようです。

ようやく昼食をとることができたのは14時過ぎでした。

【八雲】本店の割子蕎麦。写真を撮るために並べていますが、三段重ねになっています。上の段から順番に、ダシを直接かけて薬味と混ぜていただき、余ったダシは次の段へとかけていただきます。食べ方はお店の方がレクチャーしてくれますよ。

腹ごなしに最後の運動、奉納山公園へ。山頂からは出雲の町並みと稲佐の浜が一望でき、素晴らしいロケーションです。

山頂には土木建築の神様・手置帆負命(たおきほおいのみこと)と彦狭知命(ひこさしりのみこと)を祀る出雲手斧(ておの)神社と、白龍大神が鎮座しています。また中腹には歌舞伎の祖・出雲の阿國(おくに)を顕彰した塔も建っています。

出雲大社から稲佐の浜への途中には、神々の会議場・上宮(仮の宮)、下宮など今だからこそ参拝したいお社がありますので、寄り道してみてください。出雲大社から稲佐の浜までは徒歩約15分です。稲佐の浜にも駐車場があります(20台)。

時間に余裕があれば、日御碕(ひのみさき)神社もおススメです。出雲大社の「祖神(おやがみ)さま」素盞嗚尊(すさのおのみこと)が鎮座しており、出雲大社が昼を守り、日御碕神社が夜を守っているといわれています。出雲大社から約10kmです。

さらに足を延ばせば日御碕遊歩道、日本海や隠岐諸島が一望できる出雲日御碕灯台(国の登録有形文化財)と、こちらもまた見どころ満載です。

ちなみに出雲大社周辺のホテルや旅館で日帰り入浴ができるところは1軒もありません。もっとも近いのは、出雲市駅前にある【出雲駅前温泉らんぷの湯】です。店名は「出雲駅前」ですが、「出雲市」駅前ですのでご注意を。

*神在祭スケジュール
月始祭・臨時縁結大祭 12月1日(金)午前10時〜
神在祭・縁結大祭 12月2日(土)午前10時〜
甲子祭・臨時縁結大祭 12月3日(日)午前10時〜
神在祭・縁結大祭 12月4日(月)午前10時〜
夜神楽祈祷 11月28日〜12月3日 午後7時〜
神等去出(からさで)祭 12月4日(土)午後4時〜

(松本しう周己)

【関連リンク】

出雲大社 公式サイト
http://www.izumooyashiro.or.jp/

この記事の著者

松本しう周己 近影

松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
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