レベル4以上の完全自動運転は本当に可能か? ZFグループ戦略的提携・買収を指揮するツークンフト・ベンチャーズ社トーステン・ゴレウスキー社長に聞く

第45回東京モーターショーでは、日本だけでなく海外の自動車メーカーからは、「これぞモーターショー」という華やかなスポーツカーが展示されていました。一方で、電気自動車(EV)を含む電動化や先端運転支援システム(ADAS)/自動運転は、やはり業界の大きなトレンドの一つとして部品メーカーを含めた各社から数多くのソリューションが提案されています。そこで、自動車部品の世界的サプライヤーであるドイツZFグループで戦略的提携・買収を指揮するツークンフト・ベンチャーズ社(ZF社の100%子会社)トーステン・ゴレウスキー社長に、電動化、自動運転化など今後の自動車業界の流れについて聞きました。

 

— 東京モーターショーでは電動化や自動運転に関する車両やソリューションが数多く出展されています。将来のモビリティについて、ZFはどのように考えていますか?

「現在の姿からは大きく変わっていくでしょう。特に都市部においては自動運転車両が増えていくと考えられます。あるスタディによると、完全自動運転のタクシー1台で、現在のタクシー10台分の仕事が可能だそうです。効率の良い移動手段へのニーズはどんどん高まっていくでしょう。」

— CO2削減は世界的な課題ですが、電気自動車(EV)は航続距離や充電時間に課題があります。EVは、主流になり得るでしょうか?

「明確な答えは今のところ誰も持っていませんが、市場のニーズや文化、移動の目的、自動車メーカーの戦略など様々な事情があり、一概にEVという一つのソリューションだけが主流になるのは考えにくいと思います。

ZFは、都市内の輸送用EV開発のために『e.GO Moove社』を立ち上げました。ここでは200kmや400kmといった航続距離をもつEVの開発は考えていません。現在の技術では多くのバッテリーを搭載する必要があるため、非常に重いクルマとなり効率面で課題があるからです。ここで開発するEVは、ヒト・モノの都市内における輸送に目的を絞っており、効率が良いと考えられる約130kmの航続距離を念頭に開発が行われています。」

「一方で大容量のバッテリーを搭載した航続距離の長いEVを販売している自動車メーカーもありますし、依然、内燃機関(ICE)を搭載した車のニーズもあります。ZFは戦略の柱である安全、効率、自動運転という3つの分野で、様々なトレンドに対応できるソリューションを提供していきます。幅広い製品ラインナップで自動車メーカーのニーズに応える事で、将来のモビリティに貢献していきます。」