トヨタ自動車の2018年3月期決算の業績予測が一転して増益となった訳は?

トヨタ自動車が11月7日に発表した2018年3月期の決算予測では、連結営業利益が2兆円(前期比+0.3%)と、前回の減益予想から一転して増益の見込みとなっています。

これは為替が前回予想時より円安に推移していることや、経費削減などが寄与したことが要因で、具体的には為替変動の影響が650億円、原価改善努力が200億円、営業努力・諸経費減少などで650億円、計1,500億円が前回の通期予測に上積みされています。

これにより、2018年3月期は売上高が28兆5,000億円(前期比+3.3%)、純利益が1兆9,500億円(同+6.5%)となる模様。

2年連続の減益から免れる見通しとなった訳ですが、同社の永田副社長は「増益予想に転じた通期営業利益は為替変動の影響が多くあり、実力としては前期比で1,850億円の減益であり、まだまだやるべきことがあると考えている」としています。

近年、特に米国の顧客ニーズが乗用車からSUVやピックアップトラックにシフトしており、この状況がまだ2~3年続くと予想されることから、同社は売れ筋のSUV「ハイランダー」や「RAV4」「C-HR」、ピックアップトラック「タコマ」の現地生産能力増強により需要に対応する考え。

また乗用車については、インセンティブ競争が大変厳しいなか、先頃投入した新型「カムリ」の市場反応が良いそうで、今後は主力セダンの同車を軸にインセンティブの抑制などにより、北米事業の収益改善に務めるとしています。

Avanti Yasunori

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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