巨木に会いに行こう。樹齢1000年以上を誇る水屋神社の大クス(三重)【車中泊女子の全国縦断記】

デザインマンホールの撮り集め、ご当地ソフトクリーム食べ歩き、神社好き、そして巨木好きな筆者。

巨木って、どっしりとした包容力があるような感じがして、安心感を得られるような気がしてしまいます。人間よりもずっと長生きな古木たち。その中から、クルマで会いに行ける巨木をご紹介していきます。

【水屋神社】
所在地:三重県松阪市飯高町赤桶2507

国道116号線沿い、駐車場にある巨大な赤桶が目印です。鳥居をくぐるまでもなく、沿道から鎮守の森がこんもりと見えます!

水屋神社の創建は千余年前、大和の春日大社の安在所として天児屋根命(あめのこやねのみこと)を奉斎したのがはじまりです。垂仁天皇25年(紀元前51年)に天照大神が巡幸された際、この地に鎮座していた春日の神と話し合って、川中の巨石を投げて落ちたところを伊勢・大和両国の境とした、という礫石(つぶていし)伝説が残っています。(その付近を「堺が瀬」と呼んでいます)

県指定天然記念物・水屋神社の大楠(クス)。昭和42年(1967)年に県の天然記念物に指定されました。

大きすぎてフレームに収まりきれないので、パノラマ撮影しました!

樹高38m、根回り29m。樹齢千年を越えていると言われていますが、その年数を感じさせない若々しい樹勢を誇ります。

水屋神社境内には他にも巨木があり、二号楠でも樹高32m! 杉(針葉樹)と楠(広葉樹)が仲良く共存する「和合の木」(写真)をはじめ椋の木や鹿子の木、宙返りの木、縁結びの桜などなど、境内を散策しているだけでもパワーをもらえそうな素晴らしいところです。

また境内には「波動水」という甘くて清冽な湧水があり、この水が巨木を育んでいると思われます。水道の蛇口なので風情はないですが、この水を求めて県内外から来られるファンが数多く、美味しいと評判です。

すぐ裏手には櫛田川が流れ、禊場からは鯉が泳いでいる姿も見られます。夕暮れ時にはムササビが飛び交う姿が見られるかも知れませんよ。

神社周辺の見どころを結ぶ【珍布(めずらし)峠ウォーキングコース】が整備されています。ショートコース4.5km(約1時間)とロングコース7.5km(約2時間)があり、天照大神が投げ込んだという巨石【礫石】や、倭姫伝説が残る【姿見の池】、花岡神社の宿場町跡などをめぐりながら櫛田川のダイナミックな渓谷や紅葉の眺めを堪能できます。

他にも、キャンプができる【つつじの里 荒滝】や天開山 泰運寺(室生赤目青山国定公園)など見どころが数多く点在しています。

ただ、泰運寺までは国道166号から約1.5kmほど狭い山道となりますのでご注意ください。歩いて行けば33体の観音像・三十三所めぐりをしながらの紅葉ウォーキングも楽しめますよ。紅葉の見頃は11月下旬頃です。

道の駅【飯高駅】
住所:三重県松阪市飯高町宮前177
電話:0598-46-1111
駐車:普通車 117台/大型 8台/身障者 2台

水屋神社から約2km。「駅」と名がついていますが鉄道の駅がある(あった)訳ではなく、奈良・平安時代の駅制(後の宿制)により設けられた「飯高駅」に由来しています。

物産館、温泉施設、レストランを併設。新蕎麦シーズン到来!手打ちで歯ごたえもよく風味が豊か。そば打ち体験もできます。

温泉はしっとりとしていて、マキ風呂や寝湯、つぼ湯など11種類もの湯舟があり、露天風呂はもちろん内湯からも櫛田川のせせらぎと山々を展望できます。伊勢をはじめ周辺はお茶の産地であることから、シャンプー・ボディソーブはお茶の香りでさらに癒されます。

松阪市内から約30km、1時間ほどで見違えるほど山深く歴史を感じる風景に出会えますよ。

(松本しう周己)

この記事の著者

松本しう周己 近影

松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
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