ルイス・ハミルトン4度目の世界王者に!19周目、会場全体が一斉に拳を挙げた理由とは?【2017年F1第18戦メキシコGP】

2017年F1第18戦メキシコGPがアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス(4.304km、周回数71周)で開催されました。

決勝前日に行われた予選では、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が第14戦シンガポールGP以来のポールポジションを獲得! 2番手はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手にはルイス・ハミルトン(メルセデス)が続きました。

メキシコGPでハミルトンがドライバーズ・ワールド・チャンピオンを決めるには、ベッテルが優勝の場合5位以上でフィニッシュ、2位の場合9位以上でフィニッシュ、3位以下の場合チャンピオン決定と、ハミルトンがかなり優勢な状況。果たしてチャンピオンはこのレースで決定するのか、それとも次戦までお預けとなるのか、緊張のメキシコGPがスタートです!

スタート直後のターン1で、インにベッテル、中央にフェルスタッペン、アウトにハミルトンという3ワイドに! ターン2でフェルスタッペンがベッテルのインを突き首位に浮上しました。

さらにハミルトンがアウトからベッテルの前に出ようとしますが、ベッテルのフロントウイングが接触しハミルトンの右リヤがパンク。ベッテルもフロントウイングを破損し、両者とも1周目にピットインを余儀なくされ、チャンピオン争いをしている2人が最後尾まで下がってしまうという、大波乱のスタートとなりました。

これにより、上位勢の順位は首位フェルスタッペン、2番手バルテリ・ボッタス(メルセデス)、3番手エステバン・オコン(フォースインディア)、4番手ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)、5番手セルジオ・ペレス(フォースインディア)、6番手フェリペ・マッサ(ウィリアムズ)、7番手キミ・ライコネン(フェラーリ)に変わりました。

ポイント圏外を走るハミルトンにチャンピオンの座を譲らないためにも、最低でも2位まで順位を上げたいベッテルは猛プッシュ! 前を走るマシンを追い抜いていきます。

12周目、3周目にタイヤ交換をしたマッサにターン4で押し出されながらもパスし15番手にポジションを上げたベッテルは「ここは相手のドライバーを押し出すことを推奨しているのか!?」とチームに訴えます。「セバスチャン、落ち着け、落ち着け」となだめられますが、「僕は集中しているよ!」と返答。ベッテルの焦りを感じた無線でした。

18周目に5番手のペレスがピットイン。その後ヒュルケンベルグ、オコンもピットインしソフトに履き替え、順位を変えることなくコースに復帰しました。

19周目、サーキットにいるほとんどの人(マーシャルやガレージにいるペレスのお父さんまで!)が一斉に立ち上がり右手の拳を高くあげたではないですか! これには今年の9月19日に起きたメキシコ大地震を想い、「皆で団結しよう!」というメッセージが込められているのだそうです。

地震が起きた19日と同じ数字、19周目の間、気持を一つにし拳を力強く挙げ続けている姿には胸が熱くなりました。震災で苦しんでいる方達に、きっとこのメッセージは届いたはず! 被災地の一日でも早い復興、そして笑顔の日々が戻ることを願うばかりです。

この記事の著者

yuri 近影

yuri

2006年のF1日本GPを観に行ってから、どっぷりF1&ジェンソン・バトンにはまってしまったF1女子。F1が大好きですが、車の運転は下手(小林編集長お墨付き)、メカニズムも苦手、だけどドライバーの知識と愛だけは自信あり! もっと気軽にF1を楽しんでもらいたい、好きになってもらいたいという気持ちで執筆活動をしています。
趣味はバトンの追っかけと、F1海外観戦。現在は新米ママとして子育てに奮闘しながら、のんびり記事を更新中。あたたかーい目で見守っていただけると嬉しいです。
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