【東京モーターショー2017】お値段1億円? 2リッターVTECターボのスーパーカーはナンバー付きで即公道走行可能

東京モーターショーからクルマ好きの夢がなくなったという声もオールドファンから聞こえてきます。たしかに自動運転やゼロ・エミッションというのは人類にとっての夢といえますが、旧来からのクルマ好きにとってはクルマを操る楽しさをスポイルするように感じてしまう部分もあるのでしょう。

そうした声が届いたのかどうか、部品メーカーであるイケヤフォーミュラが、公道を走るレーシングマシンともいうべきプロダクト「IF-02RDS」を世界初公開しました。

同社の池谷信二社長は「たしかに全体としては自動運転に向かっていくかもしれない、しかしかつては交通手段だった馬が、馬術という趣味やスポーツとして残っているように、自らが操るスポーツカーも生き残っていくはずだ」と言います。

そして生み出されたのが「IF-02RDS」なのです。そのシルエットから想像できるように、このクルマはミッドシップの後輪駆動。ボディは鋼管フレームにカウルをかぶせた構成で、エンジンは2.0リッターVTECをターボ化したものを搭載しています。トランスミッションは同社が特許を持っている「シームレストランスミッション」で、トルク切れのない加速が味わえるということです。

すでにナンバーを取得していることからもわかるように、公道を走るための基準を満たしているスーパースポーツ。注文さえあれば生産可能というほど作り込まれていることが、ひと目で感じられる仕上がりです。

気になる価格を池谷社長に質問したところ「1億円」とのこと。もちろん、こうしたクルマですからオーダーメイドの部分も多く、あくまで目安ということのようです。

そのほか、イケヤフォーミュラのブースでは多くのブレーンと共に開発している4.0リッターV10エンジンのプロジェクトを示すモックアップや資料も飾られ、スーパースポーツプロジェクトがさらに発展していくことを示しています。

一方で、「IF-T1」と名付けた電動トライク(3輪車)も展示。電動化時代にも乗り物を操る楽しさを表現するといった試みについてもアピールしていました。

●IKEYA FORMULA IF-02RDS 主要スペック
全長:4660mm
全幅:1975mm
全高:1080mm
ホイールベース:2750mm
車両重量:1150kg
乗車定員:2名
エンジン形式:直列4気筒DOHCインタークーラーターボ
総排気量:1998cc
最高出力:220~260kW
変速装置:5速シーケンシャルMT
タイヤサイズ:前275/30ZR19 後335/30ZR20

(山本晋也)

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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