【ネオ・クラシックカー グッドデザイン太鼓判!】第14回・小さなボディに込められた大人の定番。オートザム・レビュー

80~90年代の日本車からグッドデザインを振り返るシリーズ。第14回は「世界でいちばん小さなセダン」を目指した、ハイセンスなコンパクトに太鼓判です。

バブル期、マツダが展開する5チャンネル体制の中、オートザムは軽のキャロルに続くコンパクトカーを企画。1990年、「ハイコンパクト2.5BOX」を掲げ、小泉今日子のディザーキャンペーンとともに登場したのが、レビューです。

オートザムブランドとして、全体にハッピースマイルな印象でありながら前後ブリスターが溶け込み、明快な軸の通ったボディによって、必要以上にファニーな表現になっていません。

全高1470ミリの高く大きなキャビンは、強く内側に湾曲したリアピラーが緊張感を作り出すことで鈍重さを解消。もちろん、キャンバストップではさらに軽快さをも表現します。

0.5BOX分のリアノッチは、グッと持ち上げることでボディにリズム感を生み、凹面のリアパネルがその勢いをしっかりと受け止めます。トランクは、合理的なヒンジタイプで実用性をアップ。

この記事の著者

すぎもと たかよし 近影

すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
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