【新車】無駄を排除した「引き算」から生まれたレンジローバー・ヴェラール

レンジローバーシリーズに新投入された4番目のモデル「レンジローバー・ヴェラール」は、全長が4820mm、全幅が1930mm、全高が1685mmと堂々としたボディサイズを持っています。シリーズ中ではミディアムという位置づけですが、日本の道路で試乗すると、やはりかなりの大きさを感じます。

レンジローバー・ヴェラールは、どこから見てもランドローバー一族、そしてレンジローバーの直系を感じさせるデザインですが、全体的にはフラッシュサーフェスを効かせた現代的なデザインでまとめられています。

エクステリアの基本はReductionism(還元主義)という理念に基づき、無駄を排除したデザインであると解説されました。ボディを構成するあらゆるパーツを連続感あふれるすっきりとしたデザインとしています。その連続感はドアノブにまで及び、走行時は収納、乗降時のみにせり出す機構が組み込まれています。

インテリアについても同様にスッキリとしたシンプルなデザインとなっています。とくにインパネまわりは特徴的で、水平基調のダッシュパネルのセンターに10.2インチのモニターを配置。メーターは曲面構成されるカバー内に収められます。センターコンソールまわりのスイッチは極力減らされ、物理スイッチは大2、小1のみとなり、多くの操作はモニターのタッチパネルで行う方式です。非常に先進的なインパネまわりなのですが、チルトステアリングが電動ではなくマニュアルで、さらにそのロック解除がやりづらいことが気になりました。

内装材にはレザー素材に加えて新しい、プレミアムテキスタイルと呼ばれる新しいファブリックが採用されました。このファブリックはジャガーランドローバーとデンマークのテキスタイルメーカーKvadrat(クヴァドラ)社とのコラボレーションで生まれたもので、自動車業界としては初採用となります。

シンプルでプレーンなエクステリアと先進的なインテリアが組み合わされたレンジローバー・ヴェラールは、どこかノスタルジックな香りが漂うモダンさをもつモデルに仕上がっているのです。

(文・写真:諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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