新型レクサスLSにも採用!? ショックアブソーバー世界シェアNo.1の「KYB」を潜入取材

先日、AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)「KYB株式会社」勉強会に行ってきました。

「KYB」は1919年「萱場発明研究所」として創業。1985年にカヤバ工業に改め、2015年に現在の「KYB株式会社」へ。

自動車・二輪車をはじめ、鉄道や建設機器、飛行機などの振動やパワー制御などの製品を製造し、中でもショックアブソーバーの製造は月間約230万本!世界一のシェアを誇ります。

自動車ではショックアブソーバーやステアバイワイヤ、EPS、ECU、CVT、安全運転や自動運転技術、電動・油圧ポンプ。飛行機ではホイールブレーキやアクチュエータなど。また乗り物系だけではなく、舞台装置、東京駅やスカイツリーのダンパーなども製造。

現在、米国をはじめ欧州、アジアなどに23か国、50社81拠点。そのうち国内の生産拠点は6か所、研究や開発の拠点が5か所。

そのうち今回見学させていただいたのは、岐阜県可児市にあるショックアブソーバーや電動パワステを製造する岐阜北工場と、同じく岐阜県加茂郡にある開発実験センターの2か所。実験センターは2011年に完成し、実験や落下試験などが行われます。広い敷地は名古屋ドーム約13個分の約60万平方メートル。この中は直線、旋回、ハンドリング、山岳路の4つのエリアに分かれ、直線で15レーン23種類の路面で性能や耐久、加振、減衰、音の評価を行うことができます。

ショックアブソーバーの種類はいくつかありますが、主なものはレクサスLSに採用されている高性能の単筒式ショックアブソーバー。カムリやカローラなどに採用されている複筒式ショックアブソーバー。ほかにもハリアーに設定されている「周波数感応式」やエアサスペンション、比例ソレノイドAVSなどがあり、国産車や欧州車などに採用されています。

中でも最新は比例ソレノイドAVS。こちらはレクサスのLCに採用されていることなので、ということは新型LSにも採用されているのかも!?

また、エアポンプも低フリクション、低騒音、低コスト、軽量化などで世界シェアNo.1。

電動パワステ(EPS)も高出力にむけて開発を進め、2013年には日産スカイラインに世界初の技術「ステアバイワイヤ」を搭載しています。

工場見学では、まずは電動パワステゾーン。北米仕様のスバル車専用ラインを見学しましたが、内圧を下げたクリーンルームが印象的。この時はちょうど実習が行われていて、通常よりすこし人が多いそう。自動車メーカーなどの工場見学に比べると、部品製造のためパーツが細かいせいか、ロボットも取り入れていますが、手作業も多いようです。

次にトヨタ向けトラスト型ショックアブソーバー。高速溶接の時間はわずか9秒。

そしてKYBの特徴は、まずはなんといっても性能の信頼性+性能の両立。さらに音の静かさ。今後はそこに、KYBの色をどう付けていくかが大きな課題。クライアントから言われて作るだけではなく、クルマとしてどうあるべきかを考えながら5~10年後を見据えたものを作っていきたい、とのことです。

がんばれ!日本のモノ作り!

吉田 由美