能ある鷹は爪を研ぎ澄まし、再度舞い降りる【新型トヨタ・ハリアー試乗】

2013年に登場した3代目ハリアーがマイナーチェンジしました。今回のマイナーチェンジでは、数多くの変更が行われました。

まず、パワートレインですが、従来から用意されている2リットル自然吸気と2.5リットル+モーターのハイブリッドは存続し、新たに2リットルターボエンジンが追加設定されました。

最高出力は231馬力と、1リットルあたり100馬力を超える高性能さを誇ります。また最大トルクは350Nmで、1650〜4000回転の範囲でフラットに発生するというフレキシビリティを誇ります。

2リットル自然吸気はCVTを採用していましたが、新しい2リットルターボはマニュアルモード付きの6速ATが組み合わされます。

また、前後サスペンションにはパフォーマンスダンパーと呼ばれる補強装備が施されました。タイヤは18インチの専用アルミホイールに組み込まれます。走行制御スイッチにはスポーツモードが追加され、よりスポーティな走りができるようになっています。

衝突回避支援パッケージは「トヨタ・セーフティ・センスP」が全車に標準装備されました。「トヨタ・セーフティ・センスP」は、ミリ波レーダーと単眼カメラを併用したシステムで、制御されるのは次のものになります。

・自動ブレーキ…先行車に対しては40km/hの減速、歩行者に対しては30km/hの減速が可能。市街地走行から高速走行の広い車速域で、先行車や歩行者に対する衝突事故回避を支援
・レーンキープ…ブザーとディスプレイでドライバーに知らせるほか、ステアリングも自動で制御され、車線間内にとどまるように制御
・自動ハイビーム…夜間の歩行者の早期発見などに役立つハイビーム。消し忘れで対向車に迷惑をかけることもありますが、自動ハイビームなら対向車が来ると自動的にロービームになるので、安心してハイビームが使用可能に
・クルーズコントロール…全車速追従機能付きで、停止まで制御

そのほかにも、ATセレクトレバー操作と連動して作動&解除が行われる電動パーキングブレーキや、ブレーキホールド機構なども採用。クリアランスソナーの性能アップも行われました。

ウインカーは16灯のLEDランプが内側から外側へ流れるように光るシーケンシャルターンランプを採用。ステアリング操作と連動して点灯するLEDコーナリングも装備されました。

ターボエンジン搭載車はスモーク調メッキ加飾ヘッドランプ、専用グリル(アッパー&ロア)、スモーク調メッキ加飾ヘッドランプなど特徴あるエクステリアを採用。インテリアではウルトラスエード+合成皮革のシート、メタルカーボンのATセレクターパネル、革巻き3本スポークステアリング(レッドステッチ×ディンプル加工)などが採用されています。

(文:諸星 陽一/写真:小林 和久)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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