約4000kmも走る「Great Race」に国沢光宏が参戦! 出場車両はなんと「スバル360」!!

日本でもやっと最近、「浅間山ヒルクライム」や「スペシャルステージ曽爾クラシック」などの公道を使った自動車のイベントが見受けられるようになりつつあります。

しかし、クルマをトコトン楽しむことの達人とも言えるアメリカの人々は、ずーっと前から公道で好きなクルマを走らせるイベントをやってきました。羨ましいですね。

そんなイベントの中でももっとも有名な「Great Race」に自動車評論家の国沢光宏氏が参戦すると言います。しかもその参戦車両はあの名車「スバル360」だというではありませんか!

私自身も以前360は所有していましたが、今では珍しく公道で最高速を出せるクルマでした。だって90km/hくらいしか出ないんですから。それに、ずーっとベタ踏みだと、止まってしまった経験もあります(原因はキャブレターが熱くなりすぎたようでした)。

そんな車両でモータースポーツを楽しめるのか? そもそもなんでそんなイベントに出場するのか? 日本を旅立つ直前の国沢さんに聞いてみました。

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−−−今回国沢さんが参加されることとなったグレートレースとはどのような競技なのでしょうか? 思い入れなどはありますか?

国沢 9日間で約4000kmを走るアメリカ最大級のヒストリックカーイベントです。一番古いクルマは1914年式。100年以上前のクルマも出ます。公道を使ったタイムラリーで、スピード競争ではありません。15年ほど前に取材に行き、お祭りのような雰囲気に驚きました。

−−−その競技に参加することとなった経緯を教えてください。

国沢 赤坂さんというグレートレースの日本事務局の方から誘われました。今回、赤坂さんもスバル360で出走します。ちなみにグレートレースで走ったクルマの最小排気量だそうです。

−−−スバル360で参加するのはなぜでしょうか? 車両のスペックや特徴なども教えてください。

国沢 スバルは創立100周年です。そして最初のスバルが「スバル360」です。加えてスバル360の発売は1958年。私と同じ年です。これまた還暦の60歳です。今回走らせるスバル360は43年くらいの生産で、エンジンは25馬力。4速仕様です。

−−−これまでに様々な競技に参加されていますが、違いはありますか? また共通点は?
国沢 たくさんのラリーやレースに出場していますが、50年前のクルマで走るのは初めてです。競技そのものより、クルマを壊さないように走ることが最も大切なことだと考えています。

−−−どのような競技展開を考えていますか? 戦略などはありますか?

国沢 レギュレーションは1970年と同じ条件で、ということです。GPSもNAVIもクオーツ時計も計算機もタコメーターも使わず、その日にならないと解らないコース&指定速度を守ります。これはもうコ・ドライバー頼り。戦略など立てる余裕ないです。

−−−完走する確率はどの程度でしょう。もっとも困難なステージや車両の不安などはありますか?

国沢 スタートして4日間くらいが山場だと思っています。実際、アップダウンが厳しく、スバル360にとって厳しい条件になるでしょう。加えて運転手もコ・ドラも不慣れ。ここを何としても乗り切りたいです。

−−−今回参加への意気込みを聞かせてください。

国沢 ヒストリックカーのイベントといえば高価かつカンペキなコンディションで出場するというイメージです。今回は日本初のファミリーカーであり、かつ身近。それでいてアメリカ人からすれば「面白い!」と言ってくれるだろうスバル360です。クルマの歴史の長いアメリカ人から「日本人もクルマを楽しんでるね」と思われたら本望です。

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日本のヒストリックカーの代表として、スバル360で出走するわけですね。けれど、本当に4000kmも走れるのか? 日本代表としゴール目指して頑張って楽しんで下さい。clicccarでも時々その様子をお伝えします。

(clicccar編集長 小林 和久)

【関連リンク】
Great Race公式ページ https://www.facebook.com/greatracerally/
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この記事の著者

編集長 小林和久 近影

編集長 小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務める。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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