タイヤの車輪速信号から「路面の滑りやすさ」「タイヤにかかる荷重」などを検知できるタイヤセンシング技術を住友ゴム工業が開発

ダンロップブランドを展開する住友ゴム工業は、タイヤの回転数を計測した車輪速信号から、路面の滑りやすさ、タイヤにかかる荷重などの情報を検知できるタイヤセンシング技術「SENSING CORE」を開発したと発表しました。

この「SENSING CORE」という新技術は、住友ゴム工業がすでに実用化しているタイヤ空気圧低下警報装置「DWS(Deflation Warning System)」を進化させたもので、DWSで使用している4輪のタイヤの回転数を計測するセンサーからの車輪速信号だけを使ってソフトウェアで必要な情報を解析するので、メンテナンスフリーかつ低コストで実現できるという利点があります。

「SENSING CORE」技術のソフトウェア処理では、スリップ率と力の関係を表すグラフの傾きが常時変化していることから、この傾きの変化をリアルタイムで検出し、路面の滑りやすさを検知しています。

また、タイヤにかかる荷重が増加するとタイヤのたわみが大きくなり、タイヤの回転時に発生する回転変動が大きくなるという現象が起こります。この現象によって、タイヤの振動特性の振れ幅が大きくなり、その特性の変化を前後左右のタイヤで比較することで4輪の荷重配分を推定し、4輪それぞれの荷重を車輪速信号だけで検知することができます。

このように車輪速信号をソフトウェアで解析・統計処理することによって、タイヤの空気圧低下に加えて、路面の滑りやすさや4輪それぞれのタイヤにかかる荷重などをリアルタイムに推定することができます。

さらに同社では、将来的に「SENSING CORE」技術を応用して、タイヤの摩耗や損傷などを推定することや、得られた情報をビッグデータとして収集、分析し、他の車両へ配信することも期待できるとしています。

(山内 博・画像:住友ゴム工業)