電動車から電気を取り出す可搬型給電器「パワー・ムーバー」をニチコンが開発

コンデンサ・EV充電システムのニチコンは、EV・FCV・PHVなどの電動車の電気を非常用電源やアウトドアユースで活用する可搬型給電器「パワー・ムーバー」の販売を8月から開始すると発表しました。

この可搬型給電器「パワー・ムーバー」は、可搬型のV2L(Vehicle to Load)システムと呼ばれており、EVなどの電動車の駆動用バッテリーの電力を取り出して交流100Vの電源に変換する装置です。

ニチコンが発売予定の開発品は、車のトランクに収納できるコンパクトな可搬型装置でありながら容量1.5kWのコンセントが3口設置され、合計4.5kWの大電力を出力し、同時に複数の電気機器を使用することができます。

地震などの緊急時には、EV・FCV・PHVに「パワー・ムーバー」を積載し、必要な場所に電気を運べ、誰でも簡単に操作ができるようになっており、電動車が非常用電源として活躍します。

また、緊急時に限らず、アウトドアでの電力供給装置として野外イベントやレジャー用途でも便利に使用することができます。

この「パワー・ムーバー」の特徴は次の5点です。

・キャスター付きのトランクケースタイプで可搬性に優れている
・4.5kW(1.5kW×3)の大電力を供給でき、同時に複数の電気機器を使用できる
・操作が簡単で緊急時に誰でもすぐに使える
・野外使用に対応する耐候性・耐久性を備えている
・【電動自動車用充放電システムガイドライン V2L DC版】に準拠して先進のエコカー EV・FCV・PHVと接続が可能(ただし対応車種は上記ガイドライン準拠した車種に限る)

現在のところ「パワー・ムーバー」に対応予定の車種は、トヨタのFCV「ミライ」、日産のEV「リーフ」「e-NV200」、三菱自動車の「i-MiEV」シリーズ「アウトランダーPHEV」などとなっています。

各地の自治体には、これらの電動車が公用車として用意されていることが多いので、緊急時の電源確保の方法として「パワー・ムーバー」を電動車と合わせて設置することが望まれています。

(山内 博・画像:ニチコン)