BMW・3シリーズよりも幅広になったミニ史上最大のMINIクロスオーバー【MINI CrossOver】

BMWから発売されているミニ。そのミニのクロスオーバーがフルモデルチェンジして新型となりました。先代のミニクロスオーバーも大きなボディで人気を博しましたが、今回の新型はそれを上回るサイズです。なにしろ全幅が1820mmとBMW3シリーズを上回るのです。

じつはBMW3シリーズの本国仕様の全幅は1811mmで、日本仕様はドアハンドルを日本専用品として1800mmの全幅を実現しています。これは、一般的なタワー式駐車場への入庫を可能にすること、マンション駐車場の規定をクリアすることなどが目的です。つまり、新しいミニはそうしたことが難しいクルマになったということが言えます。ちなみに全長は先代より195mm長い4315mm、全高も先代より45mm高い1595mmとなっています。

ミニクロスオーバーに搭載されるエンジンは2リットルのディーゼルターボで、クーパーD用が150馬力/330Nm、クーパーSD用が190馬力/400Nmとなっています。クーパーDはFFと4WD、クーパーSDは4WDのみの設定です。ガソリンエンジン+モーターのプラグインハイブリッド(4WD)も設定されますが、日本への導入は秋が予定されています。

エンジンのフィーリングはディーゼルターボらしいもので、低速からしっかりと図太いトルクを発生します。D、SDいずれも非常に力強い特性ですが、SDはそれが際立っています。試乗車には両モデルともにオプションでミニドライブモードと呼ばれる走行モードの切り替え装置が装着されていました。“ミッド”というモードが標準で、そのほかに“エコ”と“スポーツ”が用意されます。一番乗りやすいのは“ミッド”です。“エコ”にするとエンジンブレーキがあまり効かないようにして「滑走」させるので減速の扱いが難しくなります。“スポーツ”にするとトルクの盛り上がりがピーキーすぎて、ぎくしゃくした動きになりがちです。とくに190馬力のSDはその傾向が顕著になります。

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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