米国への投資をアピール!トヨタが北米のR&D拠点を拡張し、「北米ワントヨタ」活動を推進

トヨタ自動車(以下トヨタ)の北米統括事業体「TMNA」(Toyota Motor North America)が、車両開発、自動車安全、先進技術研究への取り組みを強化するため、米ミシガン州に1億5,400万ドルを投じて進めてきたヨーク・タウンシップの研究開発拠点拡張が完了したそうです。

同社は5月4日、拠点開所と北米における研究開発活動40周年を祝う式典を開催。

式典に出席したTMNAのジム・レンツCEOは「ミシガン州への継続的な投資は、米国投資に対するトヨタの変わらぬコミットメントを示すもので、研究開発拠点の拡張は米国で今後トヨタが歩んでいく道を象徴する大変重要なステップである」と述べました。

TMNAでは2014年4月以降、各機能間での連携を推し進める「北米ワントヨタ(One Toyota)」活動を推進しており、その一環で研究開発部門「TTC」(Toyota Technical Center)を「TMNA R&D」に改称するとともに、ケンタッキー州にあった調達部門や、カリフォルニア州のパワートレーン開発部門をTMNA R&Dに異動させました。

今回の拠点拡張を記念して、日本文化に欠かせない「桜」の木の寿命が数百年にも及び、開花時期が新年度の始まりと一致することから、キャンパスに200本の桜を植樹したそうです。

TMNA R&Dの安井慎一副社長は、自動車産業の中心地であるミシガン州南東部に研究開発体制を整えることができ、部署間での連携をいっそう密にして「北米ワントヨタ」の取り組み強化にあたりたいとしています。

トヨタがこうした米国への投資を公開する背景には、同社のメキシコ工場建設を名指しで非難したトランプ大統領に対するアピールが有るものと思われます。

Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車)

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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