「製品から作品へ」1日に48台と少量生産が行われるレクサスLC500、LC500hのファイナルアッセンブリーラインは他のトヨタ車とどう違う?

レクサスLCの最終組立工場(ファイナルアッセンブリーライン)がメディア関係者に公開されました。レクサスLCのファイナルアッセンブリーラインは、愛知県豊田市にある元町工場の一角に置かれています。

元町工場はトヨタ初の乗用車専用工場で1959年の創業。2016年からレクサスインターナショナルカンパニーの生産部門を担っています。

 

生産現場では「製品から作品へ」と評価されることをに挑戦しています。各工程には8人の匠が存在し、彼らがトップとなり、製品の域を超えた作品へと作り込まれています。

LC用のラインは約60年前に建造された建屋をリフォームして作られました。建屋そのものは古いものですが、内部は床や柱などをすべて真っ白にペイントし直して非常に明るい雰囲気にしてあります。

内部を白く明るくすることで、少しの汚れなどもすぐに発見できるようして、LCという特別なクルマを作るためのクォリティを確保しています。

空調の音も静かになるようになっています。ラインの最終セクションには、クルマの状態をチェックするブースがありますが、このブースは厚手のガラスで囲われ防音性が高められていて、ドアの開閉音などについても詳細なチェックができるように工夫されています。このチェックブースでは床面を含めたすべての方向からLEDのライトが当てられていますが、ボディカラーによってLEDの色を変えるなどの工夫も行われています。

LCはほかのトヨタ車のラインにくらべて圧倒的に少ない台数で生産されています。このため組み立てラインも通常のラインとは違ったものとなっています。LCのラインでは一人の担当する作業が従来の数倍となる約20分で、ラインの距離を短くしてコンパクトな工場での組み立てを可能にしています。作業内容の確認やボルトの締め付けトルクなどはタブレット端末を見て行うという先端的な方式も取り入れられています。

現在、このアッセンブリーラインでは1日あたり48台のLCが生産されています。働いている人員は179名で、連続2直で稼働しています。

(諸星 陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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