グランプリウィーク丸わかり!F1のパドックは決勝前日までが面白い【F1速報×F1女子~オーストラリアGP号~】

待ちに待った、F1 2017シーズンが始まりました! 新しいF1マシン、そしてあの雰囲気はやっぱりサイコー!! 早くサーキットに行きたくなりました。

予選で今シーズンも安定の速さを見せつけたメルセデス。ポールポジションを獲得したルイス・ハミルトン選手(メルセデス)がこのままポール・トゥ・ウィンを飾るかと思いきや、2番手スタートのセバスチャン・ベッテル選手(フェラーリ)が、ピットストップ戦略で逆転優勝! ベッテル選手がポディウムの真ん中に立ったのは、2015年シンガポールGP以来のこと。今シーズンの展開をますます楽しみにさせてくれる、素晴らしいレースでしたよね。

3月30日発売の「F1速報オーストラリアGP号」で、大興奮だった開幕戦の舞台裏を見ていきましょう!

■FOCUS THE GRAND PRIX

バルセロナ合同テストから速さが目だっていたフェラーリ。ついにフェラーリ復活か!? と期待していた方も多いのではないでしょうか。

オーストラリアGPのFP2では、ベッテル選手が首位と僅差の2位、そしてFP3ではトップタイムを叩き出しました。ハミルトン選手は、その速さを誰よりも警戒していたようです。

「FP1の様子からフェラーリが全力を出していないのは分かっていた。だから、FP2で突然彼らが速くなったことに驚いてはいない。今年のフェラーリの速さは本物だ。」

そんなフェラーリですが、昨シーズン半ばにテクニカル・ディレクターのジェームス・アリソンが離脱。その後任としてエンジン部門責任者だったマティア・ピットが就任しました。大物エンジニアが抜けた穴を埋める人材を確保できないままでのシーズンスタートに、不安の声も多かったのだそう。

この状況の中、なぜフェラーリが速くなったのか? 元フェラーリ・ドライバーのイワン・カペリはこう分析しています。

「F1チームにとってテクニカルディレクターの存在はもちろん大切だが、テクニカルディレクターというのは組織のまとめ役。だから、大物を連れてきてもすぐに機能するわけではないんだ。だったら、アリソンの前にテクニカルディレクターを務めていたマティアを復職させたほうがいいというマラネロの判断は理解できる。」

そして、今年のフェラーリマシンSF70Hが速くなったもうひとつの理由を「開発にアリソン以上の大物(ロリー・バーン)が加わっていたから。」とも指摘しています。

ロリー・バーンは過去に何度もチャンピオンマシンを作り上げてきた名デザイナーで、ミハエル・シューマッハーの7度のチャンピオンは、なんとすべてバーンの手がけたマシンだったのだとか! 一時、F1から引退を表明していたそうなのですが、2013年にフェラーリに復帰。アリソンの離脱にともなって、昨年から開発に積極的に関わるようになっていたのだそうです。

名デザイナー、バーンの元で開発が進められたSF70のコンセプトのひとつが「タイヤに優しいマシン」。

そのかいあって、フェラーリは予選でメルセデスに負けてもレースで逆転できる自信があったのだそう。フェラーリ・レースエンジニアのリカルド・アダミはオーストラリアGPでの作戦の意図を説明してくれています。

「もしメルセデスが先行する展開になったら、彼らが自分のペースで走れないようできるだけ後ろからプレッシャーをかけつもりだった。メルセデスを先に動かせてチャンスを狙おうとしたんだ。我々のほうがタイヤに優しいからね。」

チーム体制変更が見事にマッチし、復活したフェラーリ。「オーストラリアGP勝者がその年のワールドチャンピオンになる」というジンクスも、今年のフェラーリなら期待できるかもしれませんね。

この記事の著者

yuri 近影

yuri

2006年のF1日本GPを観に行ってから、どっぷりF1&ジェンソン・バトンにはまってしまったF1女子。F1が大好きですが、車の運転は下手(小林編集長お墨付き)、メカニズムも苦手、だけどドライバーの知識と愛だけは自信あり! もっと気軽にF1を楽しんでもらいたい、好きになってもらいたいという気持ちで執筆活動をしています。
趣味はバトンの追っかけと、F1海外観戦。現在は新米ママとして子育てに奮闘しながら、のんびり記事を更新中。あたたかーい目で見守っていただけると嬉しいです。
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