J.D. パワーの2017年米国自動車耐久品質調査で、ブランド別でレクサスとポルシェが同率1位

今回の調査で、2014年型車のベストセラー10モデルの平均不具合指摘件数は134PP100で、業界平均の156PP100を大幅に下回っており、消費者は不具合の少ない車種を選んで購入していることが分かりました。

このことは、米国で長年にわたってベストセラーであるフォード・F-150とトヨタ・カムリがセグメント別ランキングでトップになったことからも証明されています。

ブランド別ランキングでは、レクサスとポルシェが同率1位となり、不具合指摘件数は110PP100でした。レクサスは6年連続で第1位を獲得しました。

第3位はトヨタ(123PP100)で、2016年の4位から順位を上げ、第4位はビュイック(126PP100)、第5位はメルセデス・ベンツ(131PP100)でした。トヨタ以外の日本メーカーでは、ホンダが10位にランクインしたほかは、マツダが21位、日産が23位に低迷しました。

注目されるのは、第6位のヒュンダイ(133PP100)で、不具合指摘件数は2016年から25PP100減少し、2016年の第19位から第6位にジャンプアップし、ヒュンダイとしてはこれまでの最高順位になりました。

セグメント別ランキングでは、トヨタが18セグメント中10セグメントでアワードを受賞し、これまで一企業が受賞したアワード数で最高になりました。トヨタでトップに入ったモデルは、レクサスES、レクサスGS、レクサスRX、トヨタ・アバロン、トヨタ・カムリ、トヨタ・FJクルーザー、トヨタ・プリウス、トヨタ・プリウスv、トヨタ・シエナ、トヨタ・ヴェンザとなりました。トヨタ・カムリの不具合指摘件数は全ブランド中で最も少ない好成績でした。

ゼネラルモーターズ(GM)は4つのセグメントでアワードを受賞し、トップに入ったモデルは、シボレー・カマロ、シボレー・ソニック、シボレー・シルバラードHD、シボレー・タホでした。

その他では、フォード・F-150、ホンダ・リッジライン、メルセデス・ベンツ・GLKクラス、フォルクスワーゲン・ティグアンがセグメント別アワードを受賞しました。

技術分野別で最も不具合指摘件数が多かった項目は、3年連続で、Bluetooth対応/接続性と、内蔵音声認識システムによる音声の誤認識でした。

今年の調査で不具合指摘が増えたのは、電装品の増加を反映してバッテリーの故障でした。バッテリー故障の不具合を報告するユーザーが2016年に比べて、今年は44%も増えました。バッテリーは、3年の車両所有期間の間に、通常の消耗以外で最も頻繁に交換されている部品で、今年は6.1%がバッテリーを交換したと回答しており、2016年から1.3%増加しました。

調査結果をふりかえってJ.D. パワー グローバル・オートモーティブ部門バイス・プレジデントの ヴィッド・サージェント氏は

「自動車購入者は、耐久性に関して評判の悪いモデルをますます避けるようになっているため、自動車メーカーは、特に売り上げが好調なモデルについて品質に手を抜くことは許されない」

と、感想を述べています。

(山内 博・画像:J.D. パワー)