新型アウディRS5クーペは「Bサイクル」2.9L V6ツインターボで先代4.2L V8を超えた【ジュネーブモーターショー2017】

ヘッドライトの隣には、追加のラテラルエアインテークとアウトレットを設置。オプションとなるマトリクスLEDでは、ヘッドライトにカラーベゼルが採用され、ほかのモデルとの差別化が図られています。さらに、ボディサイドでは、「quattroブリスター」によりボディ幅が15mm拡大されています。

ほかにも外観の見どころは満載で、スポーティさを強調するアクセントとして、RS専用ディフューザーインサート、楕円形テールパイプのRSエグゾーストシステム、ボディ面にマウントされたスポイラーリップなどを装着。

アルミホイールは19インチが標準サイズで、オプションで20インチも用意されています。光沢ブラック、カーボン、艶消しアルミニウムのパーツから構成されるアピアランスパッケージを注文すると、さらなるカスタマイゼーションが可能。全長は先代よりも74mm延長され 4723mmというサイズになっています。

新開発となる2.9LのTFSI V6ツインターボエンジンは、先代の4.1L V8エンジンと同じ450psを誇り、最大トルクはさらに170Nm増強され600Nm。さらに、1,900-5,000rpmで最大トルクを発揮し、先代のV8エンジンよりもトルクバンドが広くなっています。この新しいエンジンなどにより、0-100km/hを 3.9秒でクリアし、オプションのダイナミックパッケージを選択すると最高速度は280km/hに達します。

この新開発の2.9 TFSIエンジンの2つのターボは、シリンダーバンクの中央に配置されています。デュアルブランチシステムを通して、取り込まれた空気が各ターボチャージャーと燃焼室へ送ることで、応答性を向上。

さらに、アウディが推進しているミラーサイクルの一種である「Bサイクル」燃焼方式に加えて、直噴のインジェクターを中央に設置することで、RSモデルで最高の高効率を達成。

NEDC(新欧州ドライビングサイクル)において、8.7L/100kmという燃料消費を達成。CO2排出量に換算すると197g/kmに相当し、先代よりも燃費は17%も改善されています。エンジンだけでなく、先代よりも60kgダイエットされた1655kgという車両重量も燃費に効いていて、カーボンファイバー製ルーフをオプションで用意されます。

足まわりでは、改良された5リンク式サスペンションの採用がトピックス。リヤも従来のトラペゾイタルリンク式から5リンク式サスペンションになっています。これらにより、スポーティな走りとハンドリングの良さ、そして高い快適性も得ているそうです。

ブラック基調でまとめられたインテリアは、ファインナッパレザーのカバーにダイヤモンドパターンのステッチ(オプション)が配されたRSスポーツシートや、フラットボトムのリムを用いたRSマルチファンクションステアリングホイール、RSのロゴといったRSらしいレーシーなディテールが魅力。RS専用となる「アウディバーチャルコクピット」には、タイヤ空気圧、エンジントルク、Gフォースといった情報も表示されます。

気になる新型RS5クーペの発売は、2017年6月からドイツと欧州諸国で開始され、価格は80,900ユーロとなっています。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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