「最後のロータリー」最終型マツダRX-8のMTモデルに試乗!(その1)【等身大インプレ】

思い起こせばRX-8開発当時、マツダは極度の経営不振に陥ってしまい、フォードの傘下に入っていました。もはやロータリーを生かすも殺すも、フォード次第という経営状況だったのです。そして遂にフォードは、マツダが進めていた2ドアスポーツカーRX-7の開発の凍結を決断しました……。

 当時フォードからマツダに赴任した経営陣は「ロータリーこそマツダのアイデンティティである」として、ロータリーの存続を継続を重要課題に位置付けていました。ただアメリカの2ドアスポーツカー市場は、高額な保険料のために販売が激減しており、単独車種では商売が成り立たない状況にあったのです。

そこで第1段階として、ファミリー層向けに居住性と使い勝手を備えた4ドア仕様のRX-8を送り出して販売実績を確保した上で、第2段階のRX-7に繋げていく戦略だったと聞き及んでいます。 RX-8の特徴的な観音開きのリアドアに、そんなフォード流の企業戦略があったと思うと、非常に感慨深いものがあります。