日産セレナの販売好調、売れてる理由は新しさだけじゃない!?

では、セレナが評価されている理由は何でしょうか。セレナの特徴といえば、量販価格帯のミニバンとして初めて採用した自動運転支援技術「プロパイロット」が挙げられます。その装着率は56%と半分以上ですが、デビュー当初は7割程度の装着率だったことを考えると、「プロパイロット」ありきではなく、ミニバンとしての本質が人気を集めているという風に見ることができそうです。

つまり、日常的な使い勝手の良さがセレナのアドバンテージと考えられます。具体的には、狭い場所でも開閉しやすい「デュアルバックドア」、足の動作でスライドドアを開閉できる「ハンズフリーオートスライドドア」といった同クラスのミニバンではセレナ独自の機能が、ミニバンユーザーに評価されているといえるでしょう。

また、3列それぞれに2個ずつUSB端子を用意するなど、実用性を考慮した装備も”かゆいところに手が届く おもてなし”を感じさせるのも選ばれている理由ではないでしょうか。

市街地での短距離ユース、ストップ・アンド・ゴーが多いシチュエーションではライバルであり、2016年のミニバンナンバーワンセールスとなったトヨタ・ヴォクシーのフルハイブリッド車にアドバンテージもありますが、価格差を考えると、セレナのマイルドハイブリッドも十分に比較できる性能を持っています。さらに、ハイブリッド4WDとなると、Mクラス・ミニバンではセレナしか選択肢がないのも事実。

歴代セレナが培ってきた使い勝手の良さと先進的メカニズムの好バランスが、セールスにつながったといえそうです。

(写真:冨士井明史 文:山本晋也)

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この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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