コンチネンタル、超薄型拡張現実感ヘッドアップディスプレイを実現。CES2017で公開

自動車部品大手の独・コンチネンタルは米・DigiLens社との戦略的提携で、超薄型拡張現実感ヘッドアップディプレイ(HUD)を開発し、2017年1月にラスベガスで開催されているコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)で初公開しました。

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コンチネンタルの取締役会メンバーでインテリア部門長を務めるヘルムート・マッチ(Helmut Matschi)氏は「この戦略的提携によって、コンチネンタルは自動車業界内により早く、より広く拡張現実テクノロジーを浸透させることを目指します」と、2社の提携の意義を説明しています。

またマッチ氏は「コンチネンタルとDigiLens社がHUD分野にもたらす先進的技術のおかげで、より多くのドライバーが必要なすべての情報をその視線の先に見ることができるようになります。私たちのビジョンである事故ゼロというビジョンにさらに近づくことができるのです」と、HUDの利点を強調しています。

HUDがあればドライバーは前方を注視したまま、運転に必要な情報を得ることができると思うことは、一般ドライバーも同様です。

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2社の提携で生まれた今回のホログラムによるHUDは、既存システムと比較して3分の1にまでコンパクト化されており、取り付けの省スペース化と同時に関連情報の表示イメージをより大きくすることが可能になりました。

シリコンバレーを拠点とするDigiLens社は、ホログラフィック光導波路技術と関連マテリアル分野で実績があり、DigiLens社の拡張現実および仮想現実に関する知見が、コンチネンタルの自動車向けHUD分野の技術に生きています。

「私たちの集積光学による技術を、コンチネンタル社とともに自動車産業向けにも拡張できると確信しています。ドライバーが視線を道路以外に向ける理由はもはやなくなるのです」と、DigiLens社のCEOを勤めるジョナサン・ワルダーン(Jonathan Waldern)氏は述べています。

また同氏は「コンチネンタル社との提携で、私たちは道路をより安全な場所にし、HUD技術の採用を加速させていきたいと考えています。」とHUDの効果を説明しています。

コンチネンタルによると、このテクノロジーは、自動運転にも貢献するということです。

自動運転では、より安全で直感的・包括的なヒューマン・マシン・インターフェースが必要で、今回のHUDのディスプレイ技術はまさに自動運転に必要な技術といえるでしょう。

(山内 博・画像:コンチネンタル)