パンダ・トレノに見る、「昭和のクルマ」の6つの特徴とは!?(その1)【等身大インプレ】

・坂道アシスト機能のないミッション

操作面では「坂道発進」も特徴的でした。AT車にはクリープ現象が、また最近のCVTやMTには坂道で滑り落ちないアシスト機能がついているので安心です。

しかしアシスト機能のない当時のMTでは、サイドブレーキと半クラッチとアクセルの3操作を駆使して、坂道にとどまりながら発進していました。「坂道発進」は、当時の女性が一番恐れていましたよネ。

筆者も免許取立ての頃、先輩から「坂道発進がスムーズにできたら一人前」なんて冷やかされたものでした。

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・「重ステ」って知ってる?

最後の特徴が「重ステ」です。最近のクルマではほとんど見られなくなった、パワーアシストのないステアリング、つまりパワーステアリング「ではない」ハンドルのことです。

パンダトレノのステアリングは、微速時には壊れてるかと思うくらい重かったのでビックリしました。特に、駐車場にバックで停める操作は、次の連続アクションになるので結構大変でした。

①半身で後ろを向きながら、②片手で重ステをすえきりしながら、③左足で半クラッチを操作しながら、④右足でアクセルを小さく煽りながら、⑤バックミラーとサイドミラーを確認しながら駐車場におさめる訳です。特に②③④の連係動作は、当時の女性にとって罰ゲームと思えるくらい辛い行為だったとあらためて実感しました。

その2では、関越の高速巡行編に続きます。

(星崎 俊浩)

【関連リンク】

第23弾 新型カローラ&スプリンターのすべて(電子版)
http://3a.as-books.jp/books/info.php?no=NMS19830627

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