日立オートモティブとルネサスの2社が相次いで自動運転関連技術への対応を発表

自動車部品のデンソーが電気大手の東芝と自動運転に関するAI(人工知能)技術を共同で開発することが話題になりましたが、今回は日立オートモティブとルネサス・エレクトロニクス(ルネサス)の2社が自動運転関連の技術開発への対応を相次いで発表しました。

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まず日立オートモティブは、自動運転車両に搭載するエンジン制御ユニット(ECU)の開発プラットフォームを提供します。同社が提供する開発プラットフォームは、 ① リアルタイムデータベースに対応、② ソフトウェア開発キット(SDK:Software Development Kit)を使用、③ FFI(Freedom From Interference)機能を備えていることが特徴です。

これら3点の特徴は、自動運転システムでは使用するセンサー数が多く、アプリケーションに要求される機能も複雑化・大規模化していることに応えて、自動運転車両用のECUをより短時間で開発することを目指しています。

ルネサスは自動運転向けのソフトウェア開発で、ソフトウェア開発を車載向けのハードウェア上で、より短期間で実現するために「HAD(高度自動運転:Highly Automated Driving)ソリューションキット」 と名づけられたソリューションキットを開発しました。

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このHADソリューションキットは、①自動運転システムに求められる性能と機能をケース内に1パッケージで格納し、②各種センサから入力される大量の情報を高速に処理することが可能なコンピューティング性能を備え、③自動運転の開発に必要なインタフェースやデータロギング機能も搭載していることが特徴です。

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特に、②のコンピューティング性能の向上に関しては、車載用ソフトウェア開発キットを駆動する2つのマイコンSoC「R-Car H3」と、シャーシ制御のマイコン「RH850/P1H-C」という、合計3つのマイコンを備え、機能別に担当するマイコンを分けて高速化・高性能化している点が注目されます。

今回発表された2社の製品は、自動運転車両用の技術開発を高速化・短時間化するのに有効で、今後自動運転技術の開発が一層スピードアップされるものと見られます。

(山内 博・画像:日立オートモティブ、ルネサス)

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