【スーパー耐久2016】デミオ・ディーゼルがST-5クラスのランキングトップ! 第5戦岡山で大勝負か?

2016年のスーパー耐久シリーズも残すところ2戦。

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そのうちの1戦が今週末の10月22、23日に岡山国際サーキットで開催される「スーパー耐久シリーズ2016 第5戦 スーパー耐久レース in 岡山」。

今年のスーパー耐久の波乱ぶりは例年には無いほど。そのなかでも混戦に次ぐ混戦で誰が勝つのか本当に予想できないのが排気量の一番小さいST-5クラス。第4戦の富士9時間レースが終わった段階でのランキングトップは、今シーズンの初めには誰一人予想だにしていなかったあのマシン!

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17号車「DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-D 」。そうデミオ・ディーゼルがランキングトップなのです。

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昨年の覇者で、今年も第3戦鈴鹿サバイバルまでトップだった69号車「BRP★J’S RACINGホンダカーズ浜松北みきゃんFIT 」が、第4戦富士9時間ではトラブルで9位に後退。ポールポジションポイントを含めて5ポイントしか得ることができませんでした。

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かといってデミオディーゼルが優勝したかというと、走行中にリアハッチが開いてしまうというトラブルや、ターボゆえに気温が高いことが不利に働き、結果は4位。

ただし、富士では9時間という長丁場であったためにボーナスポイントが付与されるため、獲得したポイント数は16ポイント。通常の3時間フォーマットのスーパー耐久シリーズでは2位と同じポイントです。

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第4戦富士を優勝したのは69号車のチームメイト「BRP★J’S RACINGホンダカーズ三重北FIT 」。

この3台が現在のスーパー耐久ST-5クラスのポイントランキング3台で、シリーズチャンピオンを自力で取ることのできる3台ということになります。

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カタログ馬力で132馬力もあり、車重によるハンデが60kgも課せられていながらもまだまだ速いホンダFIT3勢を相手に、1トン切るかどうかの車重でカタログ馬力105馬力のデミオ・ディーゼルがランキングで上に立つというのは常識的に考えれば無茶な話です。

それでも、現在のランキングを実現してしまったのは、ホンダFIT3勢の1.5倍はあるというレース中の好燃費と、0周ピットインなどの奇抜な作戦を駆使するチームの柔軟性によるところが大きいのではないでしょうか。

17号車のデミオディーゼルがランキング首位とはいえ、69号車のFIT3との差は0.5ポイント。岡山戦だけでなく、最終戦オートポリスまでギリギリの戦いを繰り広げなければ、この決着はつかないかもしれません。

今まさに、スーパー耐久のST-5クラスでは燃費 vs パワーの戦いが繰り広げられているのです。

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その他のクラスに目を向けてみますと、NA換算2000ccまでのST-4クラスでは、ランキング首位の13号車「ENDLESS・ADVAN・86 」と、2位の86号車「TOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86」が7ポイントの僅差でこちらもかなりの激戦。86同士の戦いは熾烈さを極めることでしょう。

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NA換算3500ccまでの2輪駆動車で競われるST-3クラスは新旧レクサス対決。38号車「MUTA Racing TWS IS 350 」の開幕3連勝に対して、62号車「DENSO Le Beausset RC350 」が富士9時間で優勝。38号車の連勝にストップをかけたカタチです。この優勝で62号車が一気にランキング2位なり、38号車とのポイント差は15.5ポイント。岡山次第ではチャンピオンも狙える位置に来ました。

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NA換算3500ccまでの四輪駆動車で競われるST-2クラスでは、首位の59号車「DAMD MOTUL ED WRX STI」と、2位の6号車「新菱オートDIXCELエボⅩ 」のポイント差が20ポイント。両車の優勝回数はともに2回。ボーナスポイントのつくもてぎ5時間と富士9時間を制したのは59号車。対して6号車はSUGO3時間、鈴鹿サバイバル4時間を制し、得意な分野が異なることが明確になりました。残りの岡山、オートポリスは両方とも3時間レース。このポイント差がどうなるかは岡山戦にかかっています。

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SUPER GTのGT300クラスでもお馴染みのFIA GT3マシンで競われるのがST-Xクラス。ランキングトップは24号車「スリーボンド 日産自動車大学校 GT-R」、2位は3号車「ENDLESS・ADVAN・GT-R」でその差は18.5ポイント。GT-R同士による激しいバトルは他のクラスとは迫力が違います。

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今年のシリーズチャンピオンを占う上での重要なレースとなる第5戦岡山は、ST-4、ST-5クラスがグループ2、それ以外がグループ1として、10月23日の午前と午後に分かれて各グループごとに3時間レースが行われます。特にグループ2は追い抜いてくる上位クラスがいないためにラップタイムの向上が見られ、各クラス本来のポテンシャルが発揮されるという面で必見といえるでしょう。

(写真・文:松永和浩)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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