カローラは今年の10月20日が誕生日。そしてそれが50回目のバースデーとなるのです。この50年もの間、途切れることなく生産され続けているブランドは他にはありません。
では、なぜカローラはそれほど人気を保ててきたのでしょうか。
一つには良いものをよりリーズナブルな価格で提供するという姿勢が、その商品性に見事に実現できたからではないでしょうか。コストダウンに走るだけでなく、同時に高い質感を持ちえる商品作りが実現されたのです。
これは、カローラの前に世に出た、あまりに合理的すぎたパブリカからの反省もありました。パブリカはのちに豪華さを謳ったパブリカデラックスを登場させたほどでした。
そしてサニーとの戦い。また世界ではゴルフとの切磋琢磨だったと言えるでしょう。
多くの痛手を受け、戦いをくぐり抜けたからこそ成しえた、余計なお金はかけずに高い質感、利便性を提供するという、カローラらしさの方程式が根付いてるのです。
例えば4代目にこんなものがありました。半ドア警告灯なのですが、これがキー照明と兼用となっているのです。
クルマのドアが完全に閉まっていなくても気がつかないことがあります。それを警告するためのランプが半ドア警告灯です。ドアが開いている、または完全に閉まっていない時に点くランプですので、気がついた人も少なくないでしょう。
そのランプと、夜間にエンジンキー穴を手探りしないでいいように設置されたのが、キー照明です。
いまどきのクルマは、計器盤内に「マルチインフォメーションディスプレイ」というような、さまざまな情報表示可能なディスプレイを採用し、そこに半ドア警告表示をしてくれています。しかし80年代前半などは、中級以上のグレードでは計器盤内にあるウォーニングランプで半ドアを警告するのが一般的でした。
4代目カローラでも、中級のGLから上のグレードに半ドア警告灯が標準装備されていたのです。しかしその警告灯は、ステアリングコラムの近くにレイアウトされていたのです。
これは1つの電球で、灯火部の半分が赤い警告灯、あと半分がクリアレンズとなって、キーシリンダーの鍵穴を照らすように作られていたのです。もちろんこれでコストは1/2です。
カローラらしい気の利いた装備のひとつといえますが、「なんでここに?」と誰もが思ったでしょう。また夜間、多くの4代目カローラユーザーはドアを開けた状態で、キーを挿したことでしょう。
(文:カローラせんせい/小林敦志)
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