初代エスティマにつながる初代カローラからのスピリッツがあった!【Corolla Stories 26/50】

新技術の元というのは、意外なところにあったりします。カローラで使われたこんな技術も、大きな推進力になったのではないでしょうか。

エンジンというものは割とデリケートなもので、高いGがかかり続けるレースなどでは、エンジンオイルが偏らないような装備も設定していたりします。660000_toyota_corolla_catalog_h1-4_ll

それだけ繊細なものですから、エンジンを傾けて搭載するなんてエンジンン屋さんからすれば、できれば避けたいところでしょう。

そんなことを、1966年に考えていたのが初代カローラでした。

初代カローラ搭載のK型エンジンは、ライバル車に対して「プラス100ccの余裕」をアピールする排気量1100cc(1077cc)。もともと1000ccで開発されたのですが、途中でアメリカ輸出なども考慮し1100ccへ設計変更された話は有名ですが、基本構造自体も来たる高速化時代に対応するべく意欲的でした。

ですから、この「1000ccの余裕」というのは、単にサニーよりも大きいエンジンを搭載したくて大きくしたわけではなかったのです。かつて立ち上げられた国民車構想も、その規格にあった車が実際には実現できなかったのも、高速性能の実現が難しかったことにもありました。ちなみに1955年の国民車構想では、「4人が搭乗した状態で100km/hが出せること」、「排気量350-500cc」と言う文言も並びましたが、それはなかなか大変なことだったのです。その末にスバル360が生まれ大人気となりましたが、これは構想を実現したものではありませんでした。

そして、カローラの登場する時代にあっても、そのサイズにして1リットルのエンジンで100km/h巡行の実現は難しかったということです。そしてより性能を高めるために取った手段が、排気量のアップであり、また正面から見た時に右へ20度傾けていることなのです。

01

67_5_15_toyota_corolla_3_ll

これは空気抵抗低減のために、エンジン自体の高さを低くすることに加えて、空気の吸入効率を高めて高性能を引き出すという狙いがあったのです。

実は1967年に登場したブルーバード510も、エンジンがわずかに傾けらています。

5) 67_7_3_nissan_bb510_1600sss_1_ll

2) 69_2_14_nissan_bb_sss_c_2_ll

またBMWもSOHCをメインとして直列エンジンを搭載している時代には、エンジンを傾けて搭載していました。

初代エスティマは、エンジンを真横に近く傾けることで、ミッドシップとしながらも低い床面の下にエンジンを収めました。

087_ESTIMA-1

初代カローラからの技術とは一概に言えませんが、そんなスピリッツが生み出した名車であると言えるかもしれません。

(文:モーターファンアーカイブ/高橋昌也)

【関連リンク】

001

カローラ生誕50年記念フェスが、10/22(土)にMEGA WEBで開催されます。

日時:10月22日(土)11:00〜16:00
場所:MEGA WEB トヨタ シティショウケース1F・ライドワン
入場料:無料

カローラに縁の深いゲストのトークショーや歴代カローラの実車展示など、カローラファンが楽しめるイベントを実施。詳しくは、MEGA WEBのイベント紹介ページをご覧下さい。

collora1-20160920183524

クリッカーではカローラのお誕生日を祝うべく、50周年にちなんだカローラ秘話「カローラ50のストーリー」を紹介しながら、毎日カウントダウンを行なってお祝いする「Corolla誕生50周年企画」をスタートしています。

特別企画やカローラ誕生イベントなども順次ご案内していきますので、”カローラ生誕50周年記念企画”バナーから毎日確認してくださいね!!

collora2-20161004174631

そして「カローラと私」では、読者からの投稿をお待ちしています。投稿をお願いしたいのは、カローラと一緒の写真やカローラについての思い出。こちらも奮って投稿してください。

そのほか、歴代カローラの人気投票も実施中です。ぜひご参加下さい。

bnr