新型ホンダNSXをポルトガル、鈴鹿、一般道で3人のジャーナリストが試す!

日本が誇るスーパースポーツがハイテクミッドシップとして帰ってきました。もちろん新型ホンダNSXのことです。さっそくサーキット、一般道、はたまた海外での取材も含めて徹底的にその真価を問いました。

まずはポルトガルでの試乗についてですが、「ハイテク対ピュア」をテーマにしてマクラーレン570GTと比較試乗しました。両車ともに最優先項目に掲げたのは、パフォーマンスと実用性の最高のコンビネーションなのですが、そのいずれもが両者ともにハイレベルと言える内容でした。

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しかし、あえて、そのふたつの項目に同じウェイトを置くならホンダNSXに軍配を上げるでしょう。サーキットからタウン走行、平滑路から多少の不整路まで能力を発揮する範囲が広いのは事実です。

さて、新型NSXの特徴の中でも大きなトピックとして挙げられるのがトルクベクタリングです。このトルクベクタリングは、もちろんスポーツカーの本質たるハンドリングに当然大きな影響を与えるもので、興味と不安が入り交じります。アルミボディに最新のハンドリング技術を与えたホンダの“本気”がどれほどなのでしょうか? ということで、今度は鈴鹿サーキットでテストを実施しました。
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メインテスターとしてNSXを試乗した田中哲也さんをして「フロントの左右輪の駆動の味付けがグリップに対して絶妙で印象的。これは後輪駆動のミッドシップでは感じられない独特のフィール。コーナリングを素晴らしいバランスで走り抜ける楽しさを与えてくれる」と絶賛しました。そして、他のジャーナリストのなかには操作感覚に違和感を覚えるコメントを述べる方もいましたが、田中さんはむしろフィールが多い部分もあると高評価でした。

さて、鈴鹿サーキットでのテストを終えたNSXを今度は神戸の街に連れ出して、ふたりのジャーナリストが本質を明らかにしました。今やスーパースポーツだからといって一般道での快適性が、おそろかになっていいはずはなく、当然価格なりの質が求められます。

モータージャーナリストの大谷達也さんは「重要な役割を果たすのがパワートレインの完成度である。3.5リッターV6ツインターボエンジンは、基本設計が優れているのもさることながら、ターボラグの解消にモーターを活用することで過給エンジンであることが信じられないくらい、リニアで素早い反応を示す。この領域で同じ土俵に上れるのは、自然吸気エンジンを採用するウラカン、R8、そして911GT3の3モデルだけといっても過言ではないほどだ」と説明し、さらに「トータルで見た時にこのハイブリッドシステムが非常に洗練されている」と評価しています。
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そして、もうひとり。モータージャーナリストの高平高輝さんは「もちろん、日常における実用性にも配慮したNSXが、世界の老舗スポーツカーメーカーの態度を変えさせたことは歴史の通りである。それでも、もっと荒々しいスポーツカーが好みだという方は、もう少し待てばいいのではないかと私は想像する。初代のように『次』があるはずだ」と締めくくってくれました。

(GENROQ編集長 西内辰夫)