帝人、米国CSP社を完全子会社に。自動車向け複合材事業を強化

帝人は、米国の自動車向け複合材料成形メーカー コンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス社(Continental Structural Plastics Holdings Corporation:CSP社)の全株式を取得し、完全子会社化すると発表しました。

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今回のCSP社の完全子会社化で帝人は、自動車向け複合材料製品事業を強化することになります。買収金額は総額825百万米ドル(8,4000億円)ということです。

帝人は2008年に複合材料開発センターを開設し、複合材料事業に進出。2012年には米国に複合材料用途開発センター、松山事業所にCFRTP(炭素繊維強化熱可塑性樹脂)のパイロットプラントを新設し、複合材事業を推進してきました。

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また、2015年に複合材料製品の国際的な試験所認定規格である「ISO/IEC 17025」を認証取得し、欧米の自動車メーカーがTier1メーカー(ティアワン:自動車メーカーに直接納入する一次部品サプライヤー)に対して認証取得を必須としている品質マネジメントシステム規格「ISO/TS 16949」も取得。グローバル水準の自動車部品メーカーとしての体制を整えています。

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一方CSP社は、1969年の設立以来、自動車向け樹脂製車体部品を北米の自動車メーカーに供給しており、北米最大のTier1メーカーとして有力な自動車部品会社です。

CSP社は、熱硬化性複合材料を使用した自動車向け部品に強みを持ち、特に自動車業界で「クラスA」と言われている塗装を施したような美麗な外観の外板部品では、業界のグローバルリーダーとして、米国・欧州・日本の自動車メーカーに数々の採用実績があります。

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帝人は、将来の自動車車体の軽量化を見据えて、今後CSP社の技術・販売網を活用して自動車部品事業の拡大を目指すものと見られます。

(山内 博・画像:CSP社)