世界で3番目の新型インプレッサに採用された歩行者エアバッグの秘密は? ボルボとの違いは?

新型インプレッサ用の歩行者用エアバッグは、歩行者との衝突により写真のセンサーチューブ(ボッシュ製)が押されると両サイドで圧力を受けて作動します。

センサーチューブ内の温度にも左右されるため、温度センサーが追加されており、温度補正することで正しく作動します。なお、エアバッグの袋はタカタ製、ガス発生剤(インフレーター)はオートリブ製を採用。

SUBARU_NEW_IMPREZA_03

SUBARU_NEW_IMPREZA_01

歩行者エアバッグが検知して、作動する範囲はフロントセクションのほぼ全幅をカバー。写真(下)では少し分かりにくいかもしれませんが、センサーチューブは両サイドまで配置されています。

SUBARU_NEW_IMPREZA_05

作動範囲は、Aピラーは頂点の少し下、地面から2m20cmくらいまでカバーしているそうですから長身の人でも対応。なお、子どもなど身長が低い場合は、ボンネットフードが柔らかく設計されて頭部保護によりカバーするとしています。

SUBARU_NEW_IMPREZA_06SUBARU_NEW_IMPREZA_04

新型インプレッサに搭載される歩行者用エアバッグは、ボルボなどと違いがあるのでしょうか。

ボルボのそれは両側にヒンジがあり、火薬でロックを解除し、エアバッグで持ち上げて隙間を作って開かせるという高価なシステムになっていますが、新型インプレッサでは、フロントスクリーンとワイパー、フードの狭い隙間からエアバッグを出して、フードの上にもエアバッグを出すというのが特徴であり、最も苦労した点だそうです。

低コストで作ることが可能になったという新型インプレッサの歩行者用エアバッグですが、そうはいってもコスト面からユーザーの理解が得られるかも気になります。

SUBARU_NEW_IMPREZA_09

その点については、正面から歩行者とぶつかった際に、Aピラーに頭をぶつけるとほぼ100%厳しい状況、つまり死亡事故に直結するそうで、ほかにこうした顕著な事例はないことから採用に至ったそうです。

(文/写真 塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる