【ゆとり世代のチョイ乗り報告】最後の6気筒!?「ポルシェ・ケイマンS」を試す(後篇)

先代モデルとなったポルシェ・ケイマンS、無事にドライバーズシートの権利を獲得し、いよいよ試乗です。

カエルに例えられる顔つきや滑らかな曲線のボディラインなど、車体を構成するすべての要素に只ならぬ雰囲気が感じられ、思わずニヤニヤ。

納車手続きの予行演習っぽく、必要書類を記入し、キーを受領。「911」のボディを象ったキーもお洒落で所有欲をくすぐります。

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低めの着座位置や素早く6速MTを操るために底上げされたセンターコンソールなど、ギュッとタイトなコックピットに収まると、自然と身が引き締まります。

ソワソワとした高揚感を抑えるために、目をつぶり、大きく息を吸い、静かに吐き出す。レザーが醸す香りや外の喧騒を感じさせない静謐など、カチリ…カチリ…と徐々に自分と「ケイマン」がシンクロしていく感覚が心地よいです。

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キーを挿してひねると、座席直後に搭載された3.4L水平対向6気筒自然吸気エンジン(325ps/370Nm)が、猛々しいサウンドを耳に、エンジンのピストン運動が刻む振動をシート越しに身体へ届けてきます。

ボディが強固な上にシートが肉厚なため不快感はなく、ドライバーはエンジンの確かな存在感を堪能できます。底知れない実力を漂わせるエンジンと自らの手中にあると感じる一体感に、ワタクシは勝利を確信しました。

しかし、誤算が。クラッチペダルが重すぎるほど重いのです。「フンッ!!」と気合いを込めるほど押し返そうとする力が強く、信号が多い都内では10分足らずで足はプルプル。

「せっかくのポルシェだからMT!」と意気込んでいたのですが、余計な手間を掛けずに完璧かつスピーディに変速をこなしてくれる7速PDKにしておけば……。

シフトノブ