エネルギー回生を前提としたヴァレオの電動スーパーチャージャー【人とくるまのテクノロジー展】

自動車技術会が主催する自動車テクノロジーの展示会・企画会議「人とくるまのテクノロジー展 2016 横浜」が開催されました。世界中のサプライヤーや自動車技術の関連企業550社以上が集った会場には、近未来のトレンドを示す様々なアイデアやパーツが展示されていたのです。

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その中で、注目したいトレンドのひとつが「電動スーパーチャージャー」です。

ターボエンジンと組み合わせることで、より低回転域から過給を立ち上げることも可能となり、またレイアウトの自由度が高いことも次世代エンジンの過給装置として有望視されています。

グローバルに展開する大手サプライヤーのヴァレオが展示していた電動スーパーチャージャー『e4Boost』のポイントは、ベルト駆動式スタータージェネレーターと組み合わせたソリューションとしてアピールしている点。

単純に電動スーパーチャージャーを使うだけでは、エンジンによって発電した電気を消費する機器になってしまいますが、減速エネルギー回生システムとセットにすることで、回生によって充電したバッテリーで電動スーパーチャージャーを動かすというエネルギー効率に優れた過給装置になり得るといいます。

とくに48V電装系に対応した電動スーパーチャージャーとスタータージェネレーターのコンビネーションは、近未来のトレンドとして推している存在。また、従来の電装系にマッチする12vの電動スーパーチャージャーとスタータージェネレーターも展示、カーメーカーの選択肢を広げていたのも印象的です。

(撮影・文 山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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